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Aside
「Aさんっ!!」
「なっ、コナン君!?」
警察署から監視を連れて外へ出ると、そこにはコナン君がいた。
コナン君の隣には、さっきからチラチラと頭に浮かんだ、降谷も。
「え、どうして…」
「僕たちが、動けないあなたのためにいろいろ調査したんです。で、釈放までこぎつけました」
「ええ…感謝してもしきれねぇ…」
ありがとう、と笑えばコナン君は心配させないでよと目を逸らした。
降谷はというと、つかつかと黒い雰囲気を醸し出しながらにこにこと安室スマイルを張り付け、私の前までやってきた。
いやな予感しかしない。
その嫌な予感は的中し、降谷は私の左ほっぺを力強くつまんだ。
「まって、ふそひたい」
「ほんっとうに、バカですね」
「いやわたしわるふないし!」
ギャンと吠えてみるも、降谷は離してくれない。
いい加減痛いので離してほしいところだが、降谷の顔を見て、固まった。
「ふ、るや」
戸惑う私を見た降谷はハッとし、手を離した。
つままれていたところを手でさすり、目を伏せる。
蒼色の目を揺らし、何か言いたそうに小さく開いていた口は震えていて。
そんな降谷の顔は、もう見たくない。
心配させるようなこと、もうしたくないのだけど。
「ありがとう、二人とも。めちゃくちゃ頑張ったでしょ」
「まぁね、おっちゃんの名前も使いまくったし、おっちゃんにも感謝だよ」
「そっかぁ、それはなんとも」
たはは、と笑ってもう一度降谷を見ると、降谷は手を顎に置き、何かを考えていた。
すると携帯を取り出し、誰かに連絡を取っているようで。
「…ねぇ、お二人さん」
「なに?」
見上げるコナン君に、携帯から視線を外し私を見る降谷。
私はそんな二人に、一呼吸おいて、図々しいお願いをする。
「この事件の犯人、捕まえるの手伝ってほしいんだ」
図々しい事はわかってるんだ、自分勝手かもしれないこともわかってる。
でも、この犯人は絶対捕まえなきゃいけない。
それは世間的にも大切なことだけど、一番は、自分のため。
「…わかってますよ。最初からそのつもりです」
「そうだよ、だって僕たち」
探偵だから。
二人は声を合わせ、口角を上げる。
探偵だから、真実を。
真実を、最後まで探り続けるんだと。
私はもう一度二人にありがとう、と笑顔をこぼした。
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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時