８億当てたって、私は変わらない。【名探偵コナン】

１８８億 ページ1

Aside


目の前に広がる光景に、私はただただ驚きを隠せず、動きを止めた。

この光景は、昔見たことがある。約四年前のことだ。

今日の事件にも関係した羽渡の件も丁度四年前だったが、その事件の前から続いてあった連続殺人事件だ。

連続殺人…いや、連続快楽殺人の方があっているだろうか。

目の前に大の字に力なく寝転がっているおばさんのように、四年前もこの様に殺されるという事件が連続してあった。
本当はこの後、火災も発生するのがその連続殺人鬼特有の殺人方法なんだけど、今回は火災はなかった。




「…それに」




なかなか動かない足をむりやり動かし、おばさんに近寄る。

おばさんの状態を見る限り、血がまだ乾いていない。それにおばさんが生きていた時飲んでいたと思われる温かいお茶もまだ湯気が出てる。

…ということは、死んだのは今さっき？犯人、今ももしかしたら近くにいるんじゃ…。

と、入ってきた扉に走って向かうと、外が騒がしいのに気付いた。


一階を見下げると、鉄の塊の上で赤色の光がチカチカと光っていて、見知った制服を纏った人たちが私の方を見て指をさしている。

今自分の状況がピンチだと気付くのは、そう遅くはなかった。




「そこの人、じっとしてなさい」




ぴりりとした空気の中、冷たい声が響き、私は思わずごくりと唾を飲み込んだ。


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