８億当てたって、私は変わらない。【名探偵コナン】

１９１億 ページ4

降谷side


「……え、それはどういうことですかっ」

『今言った通りだ。栃木が警察に連行された。殺人犯の容疑者となったようだ』

「よ、うぎしゃ、って…」



公園で爆発テロ事件があった次の日の朝、目が覚めて顔を洗い終えると同時に仕事用の携帯から電話の着信音が鳴った。

画面に黒田管理官という名前が出ているので急いで出た結果がこれだ。


栃木が、連行された。



『公安は一切手を貸さん、アイツは面倒事を持ち込みすぎた。
…が、アイツは使える。今回の事件、無事栃木の無実が証明できたならば、多少ペナルティーを課しても公安で働くことを許そう。もしそのまま有罪が決まれば、そこまでだ』

「……はい」



ぶちっ、つー、つー。と無機質になる音を耳から外し、しばらく放心状態になった俺は、この時間が無駄だと思い出かける準備を急いだ。

栃木が連行された、警察署へ。と、言いたいがまずは毛利探偵の元へ。

あの黒田管理官の言いようは、きっと栃木に不利な状況間違いない。
しかも公安の力を使えない。それほど大きく、難解な事件だったということだろうか。

ならば、あの小さな探偵を巻き込むには毛利先生を巻き込むのが手っ取り早い。



「あのバカっ、なんでこんなヘマしたんだ！」



アイツは普段、こんなヘマしない。昨日だって無茶はしても、不利にはなってない。
なのに、どうして…。

朝早くに家を飛び出し、ジョギングしている国民たちの横を走り過ぎて探偵事務所に急ぐ。

今はまだ、起きてないかもしれない。今日は休日だから、まだ…。

だけど、そんなもの気にしている暇はない。
確実に、アイツの無罪を晴らすために、人は多い方がいいんだ。

俺は二階にある探偵事務所につきはしたが、今の時間帯は三階の自宅にいるだろうともう一階分階段を走った。

そしてチャイムを鳴らし、反応をうかがう。

すると蘭さんがはぁーい、といかにも今起きたような声でドアを開けてくれる。
年頃の娘さんの寝起きを見てしまうのはとても申し訳ないが、いやほんと申し訳ないんだけど、コナン君の力が必要だから。



「あれっ？安室さん！？どうしたんですか！」

「す、すみません、毛利先生を！毛利先生を呼んでくれませんか！」



そこまで疲れているわけではないが、手を膝に置き、肩で呼吸するように見せる。


早く。早くアイツの無実を証明しなくては。


アイツの正義を、傷つけたくない。


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