11月22日【降谷零】

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「お姉さんって、結婚してる？」

「…どうして？」




にっこにこな笑顔から発せられたのは、なんともなんとも。

あったばかりの人にこのようなことを言うなんて、やはり子供は子供だ。

言う人によっちゃ、失礼な質問になっちゃう…。




「お姉さん、綺麗だからさ」

「ありがとう」




前言撤回、この子やるな。




「それに、結婚指輪、つけてるじゃん」

「そういえば」




薬指にはシンプルな、零からもらった結婚指輪。

指輪の裏には私と零の名前がローマ字で掘られている。


そんな話をしていると、さっきの梓さんと呼ばれた店員さんがハムサンドと珈琲を持ってきてくれた。

まだコナンくんの分は運ばれてきていない。




「コナンくんの分がくるまで待っていようか」

「先に食べてていいよ！…それで、どうして僕の名前知ってるの？」

「さっき、呼ばれてたから」




そう答えると、コナンくんはそっかと笑った。

そして流れるようにお姉さんの名前は？と聞いてくる。




「私は、Aだよ」

「Aさんね！さ、ハムサンド食べてみて！早く感想ききたいな、僕！」




早く早くー！なんて急かすもんだから、私は慌てて手を合わせていただきます、と挨拶をして急いでハムサンドを手に取った。


何故か期待の目を向けられ、私は少し気まづい空気の中ハムサンドを口に運ぶ。




「…！」




覚えのある味、何故か、何故か覚えがあった。

多分このサンドウィッチの隠し味は…




「味噌」

「！よくわかったね！このハムサンドにはね、味噌が入ってるんだって！」





零が言ってた。

俺のハムサンドには隠し味が入ってるんだ、って。

結局1番最初食べさせてもらった時は分からなくて、教えて貰ったんだ。

味噌なんだ、って。




「おいしい、ね」




なんだか、懐かしく思えた。


最近零のハムサンドを食べてない。


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