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歩いて30分くらいだろうか。
着いたのは『毛利探偵事務所』。じゃなくてその1階の喫茶ポアロ。
珈琲が美味しいんだって、友人が言ってたから前々から気になってて。
私は躊躇なく、カランカランと店の鐘を鳴らして中に入った。
すると出迎えてくれたのは、綺麗な女の人。
「いらっしゃいませ!1名様でよろしいですか?」
「はい、」
「それではこちらへどうぞー!」
可愛い笑顔で席へ案内され、私はそこへ座る。
もらったメニュー表を開いて、珈琲のお供を選ぶことにした。
しばらく悩んでいると、ねぇ!という子供の声が下から聞こえたので見下げる。
「?どうしたの?」
「お姉さん、何にしようか迷ってるんでしょー!」
「こらコナンくん!いきなり…」
「坊主!人に迷惑かけるんじゃねぇー!」
声の主は、大きな黒縁メガネをかけた小さな男の子。
可愛らしいあざとい笑顔を私に向け、話しかけてくる。
そんな様子をハラハラとした様子で止めに入る保護者、だろうか。
高校生くらいの美人な女の子と、あ、あれ毛利小五郎だ。眠りの小五郎。
「ふふ、大丈夫ですよ。…うん、どれも美味しそうでね、悩んじゃって」
「僕のおすすめはハムサンドだよー!」
ハムサンドかぁ、と一度悩む。
零のハムサンド、美味しいんだよな。
「じゃ、ハムサンドにしよっかな」
「うん!そうしなよ!」
なんて言って、この少年は私の向かい側の席に座って肘をつき、手に頬を置いて、にっこり笑って私を見つめた。
別に私には可愛い少年が仲良くしてくれて嬉しいな、くらいにしか思っていなかったが、保護者さん達はコナンくん!?と傍によってくる。
コナンくんって言うんだ。
「コナンくん、今日どうしたのよもー…」
「僕ー、今日このお姉さんとご飯したいんだぁー」
「私はいいですよ、仲良くしてくれて、嬉しいし」
「ほんとすみません、ありがとうございます」
女子高校生はもうっ!とコナンくんという少年を軽く叱って、毛利小五郎さんの元へ帰っていった。
「梓さーん!注文決まったよー!」
「はーい!何にしますか?」
「私はハムサンドと、ブレンドのホットで」
「僕ミートスパゲティと、お姉さんと同じブレンドホットー!」
え、と思わず声が出た。
こんな幼い子がブラックの珈琲を飲むのか、と。
凄いな、今どきの子は。
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こたきんぐ(プロフ) - 明里香さん» 初歩的なミスですね!ご指摘ありがとうございます! (2019年11月2日 21時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 1話に誤字がありました。「久しぶりの再開」ではなく、「久しぶりの再会」です。 (2019年10月31日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 鈴蘭さん» そう思ってもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございますっ!(*^^*) (2019年3月20日 22時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 凄く素敵な話でした!夢主ちゃんも降谷さんもなんだか可愛くて、いい夫婦なんだなぁとしみじみしました。 (2019年3月20日 19時) (レス) id: 82d2a90b1c (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございますっ!なんかそう言えばこういう日あったなーって思い、ノリで書いちゃいました(/ω\)日本人そういうの多いですよねwネタになるんでいいんですけどw (2018年11月24日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年11月24日 17時