11月22日【降谷零】

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「今日は『いい夫婦の日』なんだろう？…丁度いいと思ってな」

「……っぷ、なにそれぇ」




零がそんなことを言い出すとは思わなくて、思わず吹き出す。


零との距離ゼロcm、お互いの鼓動がお互いに伝わってくる。

私が少し冷静を取り戻す時、気づく。

零も私と同じで心臓が波打つのが早い。




「Aはわがままを言わないから、何をして欲しいのかいまいち分からない」

「言って欲しいの？」

「たまにな」




そうなんだー、とクツクツ笑うと零の大きな手が私の頭を撫でた。

今日は私たちどちらかの誕生日でも、結婚記念日でもない、語呂合わせで合わせた『いい夫婦の日』ってだけなのに、私達はすっごく甘々だ。
過去一って言ってもいいかも。それはないか。




「じゃあもう一回ちゃんとぎゅー、して欲しいかな」




わかった、と言って、零は私が潰れないくらいの強さで強くギュッと私を抱きしめた。


暖かい、そうだった、零は暖かいんだ。




「んふふ、新婚さんみたい」

「新婚さんだろ」

「普段全然あまあまじゃないじゃん」

「Aはそっちの方がいいのかと」

「零は忙しいから、イチャイチャする時間ないって思って」

「…少しくらいならある。でなければおれは結婚しない」





ぎゅっと抱きしめたまま、会話する私たち。


落ち着く、私、零の腕の中好きだな。


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