237Q ページ49
Aside
「お待たせしました、『いちごいっぱいスフレパンケーキ、季節のフルーツジェラートを添えて』です」
「フルのメニュー名ありがとー」
くすくす、と笑いあってことりとパンケーキを乗せた二枚の皿をテーブルに置く。
その際におきた女子の小さな歓声に自然と満足感を得た。俺が作ったもんじゃないけど、嬉しい。
「…葉ぁ奈」
「わ、かってるよさつき」
二人の会話に首を傾げる。
どうしたの、と問えばハナちゃんは自分のスマホを取り出して震える唇で言った。
「連絡先、交換してくださいっ」
震えるのは唇だけでなく、スマホを持っている手も震えていた。
そう、だな。
「ごめんねハナちゃん、有難いんだけどそう言ってくれてる人全員断ってて」
「あっ、そう、だよね!こっちこそごめんね…!」
「だからさ、月曜日学校で交換しよ?ダメかな」
眉を下げてそう言うと、一度落胆した顔をした彼女はぱっと明るくなり、何故か涙目になりながらありがとうとこぼした。
「なっちゃんの意地悪ー」
「そう思うならさっちゃんが俺のアカウントハナちゃんに送ってよ」
「それは意味ないの!」
「さつきっ、私早く食べたいから写真撮って食べよ!」
焦ったように写真を撮るハナちゃんに、それに続くさっちゃん。
ごゆっくり、と言葉を残して俺は仕事に戻った。
それから二人はパンケーキを食べて帰って、俺の仕事も終わりを告げる。
給料は一日で一万円。高いと思うんだけど、きっと景虎さんの手引きがあるからだろう。
有難く頂戴し、今日一日ありがとうございましたとお礼を言うと、こちらこそと店員さんから返ってきた。
またバイト先が困ったらおいでと言われたので、大学に入ってからやるバイトの選択肢が増えたのでラッキーである。
最後にさっちゃんたちが食べていたパンケーキをご馳走してもらい、俺はもう一度礼を言って皆が集まる集合場所へ向かった。
俺以外の人たちもちゃんと一人一万円を稼いできていて、元凶の火神なんて三万五千円稼いできていた。
途中クビになったらしいんだけど、黒子たちのバイト先にお邪魔したり、大食い大会に参加したりして稼いだという。
当の本人は今回のバイトは何かのトレーニングだと思っていたみたい。そんなわけあるか。テメーの食事代だわと監督に言われ衝撃を受けていた。
それでもまあ、いい経験にはなったなと思う。
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またReplacePLUSの内容です。
ハナちゃんとは後日無事連絡先交換しました。
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こたきんぐ(プロフ) - Lawさん» ありがとうございます!お待たせしました…、がんばりますっ (2020年5月24日 10時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
Law - とても面白いです!続きが気になります!頑張ってください! (2020年5月13日 0時) (レス) id: 6c5845ecc3 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れすれさん» ううありがとうございます……続編までしばしお待ちください…!!頑張ります!!! (2020年3月11日 9時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れすれ(プロフ) - とても面白いです!!もう何回も読み直してます!応援してます。頑張ってください!!!! (2020年2月24日 9時) (レス) id: de6337fd23 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!出来るといいな…。手作りいいですねぇ、私も手作り食べたいです!多めに買うのあるあるですねw続編は少々お待ちをっ! (2020年2月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年11月2日 20時