２３１Ｑ ページ43
Aside
「……アレ！？長ちんじゃーんっ！！」
「…あ、あっくん」
ぼんやりとしていた俺に気づいたみたいで、その場を離れて子供のように俺に抱きついてきたあっくん。
濡れちゃうよ、ともう既に濡れているあっくんを傘に入れてあげれば、ギューッとより強く抱きしめてきた。いたい冷たい。
「あっ、くん、ちょっとくるしい」
「ごめ〜ん、でもほんと久しぶり〜」
ぱっと俺から離れたかと思うと、くしゃわしゃーっと俺の髪をぐしゃぐしゃにする。
そんな様子を誠凛とあっくんの仲間が遠目で見ていた。
「敦、もう行くよ」
「え〜」
つい自分と重ねた彼が、あっくんを呼ぶ。
不満そうにしていたあっくんは、また冬にね、なんて言ってもう一度俺の頭を撫で彼の元へ行った。
彼は俺をじっと見つめたかと思えば、瞳に同情の色を浮かべて目を逸らし、あっくんと一緒に行ってしまった。
「長崎ーっ！俺ら走って駅行くからー！」
「うん、追いかけるー」
いきなりの俺の登場に若干驚いていた皆は、びしょびしょな体で駅へ走った。
俺も歩いて彼らを追う。
彼らに追いつき、駅に行くとみんなすっかり着替えていて一安心。
「長崎ぃ、お前用事は！？」
「終わったから来たんだー」
「ほーん、てかまじお前用意周到な」
俺の傘を見てボヤく降旗にまあねと返す。
すると火神のメールの通知音が鳴った。
「はあ？」
「どーした火神？」
「いや…カントクが今から学校来いって」
「ええっ！？」
言われた通りに俺たちは電車に乗って、誠凛高校へ向かった。
学校につくと先輩たちみんないて、なんだろうと首を傾げていると中から監督が出てきた。なんとも不機嫌な顔した監督が。
「テツ君！！」
「桃井さん？」
突如体育館から出てきたのはさっちゃんだった。
さっちゃんは黒子に抱きつき、泣いているようだった。
どういうことかと監督に問えば、びしょ濡れなさっちゃんがいきなり来て、黒子はいるかと尋ねたらしい。そして今に至るという。
そして先輩たち全員は、さっちゃんの胸に目がいったみたいで、雨の中走らされている。
だから監督が不機嫌だったのか。
.
ラッキーアイテム
長崎君の枕
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたきんぐ(プロフ) - Lawさん» ありがとうございます！お待たせしました…、がんばりますっ (2020年5月24日 10時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
Law - とても面白いです！続きが気になります！頑張ってください！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: 6c5845ecc3 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れすれさん» ううありがとうございます……続編までしばしお待ちください…！！頑張ります！！！ (2020年3月11日 9時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れすれ(プロフ) - とても面白いです！！もう何回も読み直してます！応援してます。頑張ってください！！！！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: de6337fd23 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございます！出来るといいな…。手作りいいですねぇ、私も手作り食べたいです！多めに買うのあるあるですねw続編は少々お待ちをっ！ (2020年2月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年11月2日 20時
