２２２Ｑ ページ34
Aside
真くんと火神の1on1が始まった。
真くんの動きに、火神は一瞬顔を歪める。
「心外なのだよ。まさか俺がスリーしか取り柄がないとでも？」
二人の動きに差はほとんどない。地上戦ならむしろ互角に見える。
しかし火神が飛んだ後、真くんも飛んでボールをはじいた。
前の試合より火神は高く飛んだはずだけど、火神は真くん負けた。
「くそっ、もう一本だ…」
「やめだ。このままでは何本やっても同じなのだよ」
「なっテメェ…」
「いい加減気づけバカめ。どれだけ高く飛ぼうが止めることなどたやすい。なぜなら、必ずダンクが来るとわかっているのだから」
それもそうだ。火神はド派手にダンクのことしか頭にない。
真くんは行くぞ高尾、とやはり俺たちがいることに気づいていて和ちゃんを呼んだ。
「WC予選でガッカリさせるなよ」
「…はい」
目線を黒子に移し、彼はそう言った。
その後俺に視線を向けたのでひらりと手を振れば、真くんはメガネをカチャリと上にあげてから小さく手を振って行ってしまった。
気づけば火神は砂浜へ向かって走って行った。
「どうする黒子」
「…仕方ないです。励ましに行きましょう」
「賛成」
黒子と一緒にあっという間に走って行った火神を追いかける。
相変わらず早い火神の後に続いて砂浜を走るが、やっぱり黒子はもう息切れしていて。
「…あ、黒子ごめん。靴紐結び直すから先火神のとこ行って？」
「わかりました」
ペースアップして走る黒子の後ろ姿を見てから、しゃがみこむ。
解けてしまった紐を手に取り、丁寧にちょうちょ結びに結んで立ち上がり海の方へ顔を向けた。
真っ黒な水面に、優しく光る月が揺れる。
海から吹く生ぬるい潮風が俺の髪をサラリと撫でた。
顔をにかかった髪の毛を左耳にかけ、その流れでカチリとピアスに触れたので少しいじる。
「俺は、強くなったのかな」
海からの波打つ音しか聞こえないこの場で一人、ぽそりと呟く。
強くなったんだろうか、今より強くなるためにはどうすればいいのか。
火神のように具体的な課題を見つけてはないし、黒子のようにまた自分の強みを活かして新しいものを生み出そうとしてない。
誠凛の皆だって、きっと個人個人に具体的な目標だとか決めてるのに。
「しっかりしないと」
先を走る二人の背中を見つめて、俺は静かに決意を固めた。
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ラッキーアイテム
長崎君の枕
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こたきんぐ(プロフ) - Lawさん» ありがとうございます！お待たせしました…、がんばりますっ (2020年5月24日 10時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
Law - とても面白いです！続きが気になります！頑張ってください！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: 6c5845ecc3 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れすれさん» ううありがとうございます……続編までしばしお待ちください…！！頑張ります！！！ (2020年3月11日 9時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れすれ(プロフ) - とても面白いです！！もう何回も読み直してます！応援してます。頑張ってください！！！！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: de6337fd23 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございます！出来るといいな…。手作りいいですねぇ、私も手作り食べたいです！多めに買うのあるあるですねw続編は少々お待ちをっ！ (2020年2月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年11月2日 20時
