２２１Ｑ ページ33
Aside
一度離れて、倒れてきたバスケットゴールを見る。
するとそこには倒れる前に跡を残した手形より上についた、火神の大きな手の跡があった。
逆の足で飛んだと聞こえた。
いつもは右で飛んでたから、左で飛んであれってこと？火神の利き足は、左なのか。
監督は火神になにか言ってから姿を消した。
火神は先程の反動で体を仰向けにして倒れている。
そんな火神を見ている俺たちの所へ、黒子がやってきた。
「どうも」
「…よう！何してんの？」
「いえ、もうすぐ夕食なんで火神くんと、長崎君を呼びに」
「あぁごめんね」
「もうそんな時間か、じゃウチもそろそろ…頭下げろ！」
バッと和ちゃんは黒子の頭を下げる。
何事かと俺も一緒に低姿勢に戻ると、火神の元におしるこを持った真くんがやってきた。
二人の血管が浮き上がった気がしたんだけど、多分気の所為じゃない。
そんな二人の様子を和ちゃんは静かにケラケラと笑っている。
「……んだよ」
「用などない。ただの飲み物を買いに出ただけなのだよ」
「飲みもんって…しるこ？」
お互い睨み合いながら、火神は倒していたゴールを元の位置に直す。
その際火神を睨む真くんの視線が、俺と交わったような気がした。
「よく夏にそんなもん飲めんな」
「『冷たい』に決まっているだろうバカめ」
「そーゆーこっちゃねぇよ！」
和ちゃんは笑うのを必死に堪えていて、俺も吹き出しそうになったのを抑える。
やはり彼はユーモアがある、昔から変わらない。
気づけば真くんは手に持っていたおしるこを地面に置き、テーピングを解いて、そこに転がっていたバスケットボールを持っていた。
「来い、その安直な結論を正してやる」
安直な結論、それは火神が空中戦なら勝てる、と思っていることだろうか。
さっき真くんも言ってたけど、火神は正直飛ぶことしか頭がない。
高くなるだけじゃ結果は変わらない。
真くんだって言えば空中戦である。
腹が立ったのか、彼が珍しく自分で勝負を仕掛け、火神にボールを投げた。
「十本だ。お前が攻撃、俺が守備、一本でも取れたらお前の勝ちだ」
「あ？どーゆーつもりが知んねーけど十本連続でふせげるつもりかよ？止められるもんなら、止めてみやがれ！」
「安心しろ、俺の負けはない。今日の占いかに座はしし座に順位も相性も完全に上位だ」
そう言ってメガネを定位置に戻す彼は、いつまでたっても占い中心である。
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こたきんぐ(プロフ) - Lawさん» ありがとうございます！お待たせしました…、がんばりますっ (2020年5月24日 10時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
Law - とても面白いです！続きが気になります！頑張ってください！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: 6c5845ecc3 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れすれさん» ううありがとうございます……続編までしばしお待ちください…！！頑張ります！！！ (2020年3月11日 9時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れすれ(プロフ) - とても面白いです！！もう何回も読み直してます！応援してます。頑張ってください！！！！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: de6337fd23 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございます！出来るといいな…。手作りいいですねぇ、私も手作り食べたいです！多めに買うのあるあるですねw続編は少々お待ちをっ！ (2020年2月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年11月2日 20時
