黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fifth【黒子のバスケ】

２０５Ｑ ページ17

桃井side


第2Ｑが終わり、インターバルの時間になった。

もちろん第2Ｑ途中から大ちゃんが入っても変わらず、桐皇が勝っている。

そしてインターバルでは休憩室で桜井くんのはちみつレモン漬けを選手達が食べたりして休息を取っていた。

私もはちみつレモン漬けを作ってきたんだけど、今吉さんにこれは料理以前のレベルやろ！…なんて言われてしまって…ショック。




「いやぁ、それにしてもA君。自分のええとこ出せてないなぁ」

「……そうですね」

「流石桃井や。A君の一番の弱点、よぉわかっとる」




今吉さんは楽しそうに、ニヤニヤと笑っている。
きっとなっちゃんの悔しそうな顔を思い浮かべているんだろうなあ……あはは。なんとも。

なっちゃんの、弱点。

このチームでなら一番用意が簡単で、一番効果が効くもの。




「Aの一番の弱点だあ？」

「お、青峰知らんのか」




大ちゃんはなっちゃんのことになると、絶対話に入ってくる。
……大好きだもんね、なっちゃんのこと。




「コイツよ、こ、い、つ」

「……長崎？」

「おい先輩かさんをつけろアホ峰」




今吉さんはスポーツドリンクを飲んでいる蘭さんを指さすと、大ちゃんはどういうことだよと笑った。

正直、見ただけではなかなか分からないと思う。

彼らが兄弟だっていうこと。





「なんや、わからんのか。蘭とA君は兄弟やねん」

「……似てねぇな」

「やろぉ？」

「ま、そんな天才イケメン蘭君と、Aは勝手に自分と比べて、俺がコンプレックスなんだってー。
だから、俺を目の前にすると無自覚で冷静さがかける。あいつのいい所が、消える…ってこと」





いやー、イケメンって罪だわー、なんて茶化すように笑う蘭さんを今吉さんが相変わらずクズやな、と罵っている。


……なっちゃんの弱点。

それは天才の、兄。



この弱点を教えて貰ったのは他でもない、なっちゃんの弱点、蘭さんからだった。


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