黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fifth【黒子のバスケ】

２０３Ｑ ページ15

Aside



「先輩、」

「ん？なんだ長崎」




試合開始直前、俺は日向先輩に話しかける。

お節介かもしれないけれど、ちょっとした警告を。




「今吉さん、ああは言いましたけど強いです、桐皇は」

「まぁ、そうだろうな…ビデオ見る限り攻撃型ってとこだろ」

「…そうです」

「それにあの長崎蘭もよくわからないやつだよな、他の学校の試合を見ても、自分の実力を出しているように見えないし」

「です、ね」





他の人から見ても蘭はそんな風に見えるんだ。


蘭はすごいよ、本当に。

俺から見ればアイツはまるで、一生超えられない壁みたいに見える。

どれだけ追いかけたって、どれだけ頑張ったって。


天才には凡人は追いつけっこない。





「…長崎？具合悪いのか？勘弁しろよ−、まじ。お前がいなくなったらマジでやべー」

「あはは、すみません、大丈夫です。…頑張りましょう」





またにっこりと笑みを浮かべて、スタメンの俺は自分のポジションにつく。

もう挨拶は済んでいるので、笛が鳴ってジャンプボール。


ジャンプボールをとったのは桐皇で、今吉さんがボールを持った。

今吉さんが性格が悪い事は知っている、なんというか、人が嫌がることをさせるとすれば彼の右に出るものはいないと思う。
そんなこと今吉さんに直接言えないけどね。花宮さんの二の舞になっちゃう。


そのまま今吉さんは桐皇の９番にボールをパスし、受けっとった彼はスミマセンと、何故か謝りながら３Ｐを決めた。何で謝るの…。




本当に厄介な相手だ桐皇は。


厄介な相手は、バスケコートだけにいる人だけじゃない。



ベンチに座っているマネージャー(さっちゃん)も、厄介な人の一人である。


．

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