黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fifth【黒子のバスケ】

２０１Ｑ ページ13

Aside



「今日確か決勝リーグだっけ二人とも」

「うん」

「おん」




決勝リーグ当日の朝、今日戦う兄とともに朝食をとる。

白ご飯と、母さんが出してくれたおかずと一緒にもぐもぐとよく噛んで食べる。




「二人ともがんば」

「軽いね、母さん」

「それが俺らの母ちゃんだからしゃあない」




母も兄も、いつもと変わらないこんなノリで。

少し緊張している俺が、バカみたい。




「A―」

「何、蘭」

「…頑張れよ」

「は？」




ごっさまー、なんていってリビングを出ていく兄の姿を呆然としてみる。

何それ、今日戦う相手お前なんだけど。


何それ…意味わかんない。




「A、いつも通りいけばいいのよ」

「…母さん」

「もしかしたら、挫折することがあるかもしれない。
でも、私の息子だものきっと強く立ち上がれる。蘭も、何か思うことがあるんでしょ。
私は蘭でもAでもないから気持ちはわからないけど、ひとつわかることはある」




いつも通り、自分らしくしてればいいの。

なんて言って母は蘭が残して行ったお皿を片付ける。




「母さんってさ、変な人だよね」

「その変な人から生まれたのが貴方よ。…また、友達つれてきなさいよ」

「…うん」




この家には、中学の時何度も親友、と呼んでもいいのだろうか。


まぁ心の中くらいはいいか。


その、中学の時一番仲が良く、支えられてきた親友を良く連れてきた。


…彼は、今どうしているのだろうか。



連絡はたまに取っているけれど、ホントにたまにで。



…彼はまた、一人で業を抱え込んでいるのだろうか。



なんて、赤髪の彼のことを思い出しながら、俺は食べ終わった食器を蘭の食器を洗っている母の元へ運んでいった。


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