１８９Ｑ ページ1
Aside
「くそ！」
「火神、ちょっと落ち着いて」
ベンチで自分の汗を拭きつつ、彼に優しく言葉をかける。
だが彼は今本当に興奮していて、頭を冷やさなければ今後に影響しそうだ。
「今必要なのはチームプレイじゃねぇ、俺が点を取ることだ」
火神の言葉に、当たり前だが反論の声が上がる。
黒子からも何かいうのだろうと思っていたら、気づいた時には普通に手を出していてとりあえず止める。
「黒子テメェ！！」
「まぁまぁ…」
「バスケは一人でやるものじゃないでしょう」
「皆が仲よくがんばりゃ負けてもいいのかよ！？勝たなきゃ何のイミもねぇよ」
黒子が、一度目線を下げ、もう一度火神をまっすぐと見据え、口を開いた。
…黒子のこの目、ホント苦手だ。ほだされる。
「一人で勝っても意味なんかないだろ。
『キセキの世代』倒すって言ってたのに、彼らと同じ考えでどうすんだ」
黒子の声は、今まで聞いたことないくらい低く、説得力があって。
そんな黒子の言葉を聞いて火神は黒子に手を振り上げるが、その手が大事な黒子に当たってしまうのは困るので、俺が受けておいた。
「なっ」
もしここで俺がその手を止めていたら、火神はもっとイライラしていたかもしれない。
だからまぁ…今回は火神のストレス発散道具になったってことで。
次は絶対許さないけど。
「…ねぇ、火神。『勝利』ってなに？
…試合が終わって、相手よりも点を取っていても、嬉しくなかったらそれは『勝利』じゃないと思うよ俺」
だから落ち着け、と俺は自分を殴った火神の手をつかむ。
火神はすまん、と俺に言って背を向けた。
「悪かった。
勝った時に嬉しいほうがいいに決まってるわ」
うん…、ちゃんと火神の頭が冷えてくれたようで良かった。
そして黒子は、自分のパスにもう一段階あることを話す。
あのクソ痛い奴かぁっ、と思わず明後日の方をみてしまう俺をどうか許してほしい。
「…というか火神君。何長崎君を殴ってるんですか」
「あっ、いやっ、まじすまん」
「いいよ、大丈夫。怒ってないから、今回は」
「え」
「長崎君を怒らすと怖いですからね、あと周り」
「えっ」
黒子の言葉で、なんだか観客席の方からすごい威圧的な視線を感じたのか、火神は俺に何度も謝罪を述べてきた。
.
ラッキーアイテム
長崎君の枕
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1666人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたきんぐ(プロフ) - Lawさん» ありがとうございます！お待たせしました…、がんばりますっ (2020年5月24日 10時) (
レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
Law - とても面白いです！続きが気になります！頑張ってください！ (2020年5月13日 0時) (レス) id: 6c5845ecc3 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れすれさん» ううありがとうございます……続編までしばしお待ちください…！！頑張ります！！！ (2020年3月11日 9時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れすれ(プロフ) - とても面白いです！！もう何回も読み直してます！応援してます。頑張ってください！！！！ (2020年2月24日 9時) (レス) id: de6337fd23 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» ありがとうございます！出来るといいな…。手作りいいですねぇ、私も手作り食べたいです！多めに買うのあるあるですねw続編は少々お待ちをっ！ (2020年2月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年11月2日 20時
