透けて ページ3
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それに彼は家事ができた。
彼の仕事が休みの日、私に必ずおいしい料理を作ってくれた。
私も彼に負けないようにいっぱい料理の練習をして、彼に笑顔でおいしいと言わせた。
どこがおいしいとか、何を使ってるだとか、彼は不思議と当ててしまって隠し味に使ったものも当てられてちょっと悔しかったっけ。
褒めて褒めて褒めて、私の料理をひたすら褒めてくれた。
褒めすぎて、本当かどうかわからなくなって私が彼に本当においしいか聞いた際、当たり前だろとあの顔で笑ってくれたこと忘れない。
洗濯だって、お掃除だって、お片付けだって。彼は当然のようにやり遂げて。
私も彼に負けないように頑張って。
軽く同棲していたから、今日はどっちがやるかじゃんけんで決めてた。
どちらかが仕事で疲れた日は、率先して家事はしていたけれど。
ほぼほぼ私が勝ってて、じゃんけんの意味がないじゃんって怒ったけど、彼、本当はじゃんけん強いんだ。
私の前の時だけ、弱かった。
いつも負けてて、何事もないような顔でまた負けたって私の頭を撫でながら言ってくるんだ。
もう、そんな幸せは、過去のことだけれど。
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こたきんぐ(プロフ) - アオさん» こちらこそ読んでいただき、ありがとうございました! (2018年10月16日 21時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - はぁ…切ないですね。素敵な作品ありがとうございました。 (2018年10月16日 11時) (レス) id: 9a9aea483b (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 紫蝶桜さん» え、えとありがとうございますっ!笑 (2018年10月15日 23時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
紫蝶桜(プロフ) - なんか、泣けますね(苦笑)凄いです! (2018年10月15日 22時) (レス) id: fc748f73ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年10月14日 20時