１４話 ページ16
Aside
「ヒーローに、向いてない、か…」
誰もいない教室で、一人ぽつりと言葉を零す。
その言葉は静かな教室ではよく響き、なんだか震えてて、余計虚しく感じた。
「別に、めちゃくちゃヒーローになりたいってわけじゃないし。でも私の個性めちゃくちゃヒーロー向きじゃん」
一人がいい事に、私の口からは次々とひねくれた独り言が零れていく。
「…そんなはっきり言わなくてもいいじゃんっ、先生ならもっと…ああここ雄英だからあの答えは当たり前か。つっても…ああもー！なんなのさあのドライアイっ！」
ガンっと自分の机の脚を出来るだけ弱く蹴り、気持ちを落ち着かせる。
でもやはり、地味にプライドが高い私にはあの言葉はなかなか心に来ているみたいで。
『個性はヒーロー向き』
『でも人としてはヒーローは無理』
ほとんど全否定じゃないか。初日から。
「そんなに気持ちって、大事なわけっ！？」
丁度良く自分の机に置いてあった、学校からの少し厚めのチラシをブンッと感情任せに放り投げると、そのチラシは思っていない方向に飛んでいき、教室の扉の方へ。
そしてそのチラシはそのままヘドロ君の顔面へ。
…え、ヘドロ君？
「…テッメェ…」
「うぉわああぁぁごめんんん！！！」
掌からは微かに火花が散っていて、明らかどう見たってご立腹。
そんな馬鹿な、クラスの人はもう帰っていて…あ、ヘドロ君の机にヘッドホンあるじゃん、なんだ忘れ物か。
じゃなくて。
「へ、ヘドロ君…いつからいて…」
「お前はそんなにブッ殺されてえのかぁ…？あぁん！？」
「あ、しまった」
心の中でヘドロヘドロ言っていたから、つい現実でも言ってしまった。
今日はやらかしデーだな。そんな日いらない。
ヘドロ君の目は約８０度くらいつり上がってて、顔怖いし、もう完全に何も知らない人から見たら敵だ。
悪いのは全て、私ですが。
「しかもお前…聞いてりゃふざけたことばっか言いやがって」
「盗み聞きかぁ、趣味悪いね」
「殺すぞ」
ボンッと、先ほど私が当てたチラシを一瞬にして灰にするものだから、私は反射的にお口をミッフィーちゃんにする。
…あれ、もしかして私ヘドロ君には素で話せてる？
そう少し冷静を取り戻した私は思った。
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天子夕夏(プロフ) - 夢主の性格好きです……。戦闘服の私服感がたまらない。チアとか応援団っぽいやつかと思ってましたけど、これも好き！ 好きしか言ってないけどそれくらい好きです！ ひっそり応援しております。 (2018年10月11日 18時) (
レス) id: 7a91dd0576 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - RINさん» そう言ってくれるとめちゃくちゃ嬉しいですっありがとうございます！！頑張ります！そしてオチは本当に未定です！← (2018年9月30日 11時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - 夢主可愛いしお話めちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！出久落ちであれ…(ボソッ) (2018年9月30日 1時) (レス) id: e6777abed4 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 幽銀さん» いや書いてない私が悪かったので！読んでくれてありがとうございます！ (2018年9月29日 22時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
幽銀(プロフ) - こたきんぐさん» なるほどんぶり。分かりました。自分が勘違いしてたんですね。 (2018年9月29日 22時) (レス) id: c2f472b7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年9月29日 14時
