１１話 ページ13
Aside
緑谷君は、もう一度ボールを握り大きく振りかぶった。
そして、『ＳＭＡＳＨ！』と叫びながらボールを遠くに投げる。
ＳＭＡＳＨ…か、オールマイトの真似かな。
「あの痛み……程じゃない！！」
緑谷君の一本の指は、紫色にはれ上がっていて、多分骨折している。
自分を犠牲にして力を出す個性なのだろうか。身が持たなそうだ。
「先生……！まだ…動けます！！」
でもそんな彼の姿は、何だかカッコよくてまっすぐで。
こういう人なら、
昔、私の個性を知った友人は何かあるたびに私を頼ってきた。
学校では心の中の性格とは全然違うから、…イエスマンだった私は笑顔でいつもその子に個性をかけてあげた。まあ気持ちは全く入ってないから威力は弱かったけど。
まぁ、そういう人がこの世の中にいっぱいいるから、安易に人に個性をかけたくないし、教えたくないのだ。
ヘドロ君はそんな緑谷君をみて、怒っているような驚いているような、なんとも複雑な顔をしていた。簡単に言うと怖い。
「どーいうことだこら！！訳を言えデクてめえ！！」
「うわああ！！」
物凄い勢いで緑谷君の元へ向かうヘドロ君を、相澤先生がさっき緑谷君にも使った白い布で彼の体を拘束した。
「ぐっ……！んだこの布固っ」
相澤先生が言うには、この布は捕縛武器らしい。そして先生はドライアイだという。
ってことは先生の個性、長くは使えないということなんだろう。
個性凄いのにもったいない。
緑谷君の指、痛そうだなぁなんて思いながらお茶子ちゃんと一緒にボール投げを終えた彼の元へ行った。
「緑谷君、大丈夫？」
「あ…えっと、君は…」
「私は声嶺A！緑谷君、ケガしてない方の手、貸してみ！」
「え？」
戸惑う彼を無視して、笑顔で彼の手を取る。
ぎゅっと握ると彼はぼふっと顔を真っ赤にして、なんだか初々しくて可愛かった。
「大丈夫、“がんばれ”」
「！」
にこっともう一度笑って手を離す。
おわかりの通り、少しだけ彼に個性をかけさせてもらった。
珍しく私に個性を使ってやりたいと思わせた、一生懸命な彼の力に少しでもなれるように。
そんな私を相澤先生がため息をついてみていたなんて、知らない。
.
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天子夕夏(プロフ) - 夢主の性格好きです……。戦闘服の私服感がたまらない。チアとか応援団っぽいやつかと思ってましたけど、これも好き！ 好きしか言ってないけどそれくらい好きです！ ひっそり応援しております。 (2018年10月11日 18時) (
レス) id: 7a91dd0576 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - RINさん» そう言ってくれるとめちゃくちゃ嬉しいですっありがとうございます！！頑張ります！そしてオチは本当に未定です！← (2018年9月30日 11時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - 夢主可愛いしお話めちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！出久落ちであれ…(ボソッ) (2018年9月30日 1時) (レス) id: e6777abed4 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 幽銀さん» いや書いてない私が悪かったので！読んでくれてありがとうございます！ (2018年9月29日 22時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
幽銀(プロフ) - こたきんぐさん» なるほどんぶり。分かりました。自分が勘違いしてたんですね。 (2018年9月29日 22時) (レス) id: c2f472b7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年9月29日 14時
