１０話 ページ12
Aside
緑髪の子は腕を大きく振りかぶり、ボールを投げたんだけど…記録は46ｍ。
十分凄いと思うが、彼の顔は納得のいっていない顔。
「な…今確かに使おうって…」
彼はそう、呟いた。
そんな震えた声の次に聞こえた声は、冷めた相澤先生の声だった。
「個性を消した。つくづくあの入試は…合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう」
先生は、個性を消したと言う。
先生はきっと、そういう個性なんだろう。
私は少々、先生の言い分もわかる。
あの試験は、個性によって有利不利がある。相手は機械だった、もし凄い個性を持った子が人間相手にしか使えないすっごい個性だったら、ものすごく惜しいことをしている。
それに力が個性じゃなくて、頭を使うことが個性の場合、また同じく惜しいことをしてることなる。
…もう少しいろいろ考えた方がよかったんじゃないかなぁと、子供ながら私は思ったのだ。
個性を消された緑髪の彼は、先生のことを『抹消ヒーローイレイザーヘッド』と呼んだ。
どこかで聞いたことがある。でもどこで聞いたかなんて忘れたけどね。
「見たとこ…個性を制御できないんだろ？また行動不能になって誰かに助けてもらうつもりだったか？」
「そっ、そんなつもりじゃ…っ！」
彼は言い返そうとするが、先生は彼の体を白い包帯のようなもので無理やり自分の方へ引き寄せた。
…行動不能、それは周りが困るよね。
「どういうつもりでも、周りはそうせざるを得なくなるって話だ。
昔、暑苦しいヒーローが大災害から一人で千人以上を救い出すという伝説を創った。
同じ蛮勇でも…お前のは一人を助けて木偶の坊になるだけ。
緑谷出久、お前の力じゃヒーローにはなれないよ」
緑髪の彼の名は、緑谷出久という名前らしい。
相澤先生は残酷な事実を彼に押し付ける、でも、ヒーローはそういうことも乗り越えてなるものなのかもしれないね。
知らないけど。
「個性は戻した…ボール投げは二回だ。とっとと済ませな」
先生は目を閉じ、個性を解除したようだ。
緑谷出久君は、大丈夫なのだろうか。
別に私が心配することではないけど、やっぱり除籍は入学早々可哀想だ。
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天子夕夏(プロフ) - 夢主の性格好きです……。戦闘服の私服感がたまらない。チアとか応援団っぽいやつかと思ってましたけど、これも好き！ 好きしか言ってないけどそれくらい好きです！ ひっそり応援しております。 (2018年10月11日 18時) (
レス) id: 7a91dd0576 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - RINさん» そう言ってくれるとめちゃくちゃ嬉しいですっありがとうございます！！頑張ります！そしてオチは本当に未定です！← (2018年9月30日 11時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - 夢主可愛いしお話めちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！出久落ちであれ…(ボソッ) (2018年9月30日 1時) (レス) id: e6777abed4 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 幽銀さん» いや書いてない私が悪かったので！読んでくれてありがとうございます！ (2018年9月29日 22時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
幽銀(プロフ) - こたきんぐさん» なるほどんぶり。分かりました。自分が勘違いしてたんですね。 (2018年9月29日 22時) (レス) id: c2f472b7ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年9月29日 14時
