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Aside
「君は何死に急いでいるんだ!」
「ゴメンナサイ」
事件が解決した後、私はその場にいた警察官たちにこっぴどく叱られていた。
人の命がかかっていたんだぞということ、挑発なんて馬鹿みたいなことしないということ、もういろんなことを叱られて精神的にくたくたになった。
風見さんも近くにいたはずなのに、今日は全く助けてくれなくて、マジで悲しい。いいじゃん、だって結果降谷が推理した場所にあった爆弾を解体して、無事爆発しなかったんだから。犠牲者誰もいないんだからそんな怒んなくても!
「Aさんっ!」
精神的にくたくたになった体で、一緒にキャンプに来た皆のもとに帰ると、子供たちが心配そうな顔して私の元へやってきた。
そんな子供たちに私は頬を掻きながら、ごめんね、と苦笑いで返す。
「何で謝るの!Aさんは歩美を助けてくれたじゃん!ありがとうだよっ!」
「にしても何であんな危ない真似をしたの」
歩美ちゃんにお礼を言われた直後、哀ちゃんからの冷たい声、言葉が聞こえた。
思わずびくりと肩が揺れ、あははと苦笑いしか返せない。
「死ぬかもしれなかったのよ」
「ゴメンナサイ」
さっき警察にお説教を受けた時と同じく、私は素直に謝った。
もっと違うやり方はあったし。
でもあれが一番効率がよくて、早く終わった。
「…あの犯人たち、幼馴染みだっていってたわね」
「うん」
捕まった犯人たちは、もともと捕まっている羽渡も入れて、小学生からの幼馴染みだったらしい。
そして余談になるが、羽渡が持っている情報は公安のちょっとした裏事情だけではなく、とある豪邸の宝の在りかも知っていて、その在りかを知りたいのも含めて羽渡を釈放したかったという。この話は後々入ってきた。
「幼馴染み、か。なんだかんだいって、強い絆があるよね」
「そうですね」
「うわ」
私がぼそりと呟いた言葉に、いつのまにか後ろにいた沖矢さんが反応する。
そういえば、沖矢さん基赤井さんがヒロを殺した…ってことになってるんだった。
降谷の幼馴染みを、殺したことに。
「誰にでも強い絆を持っている人は、いるもんだよ」
それは決して一人と決まっているわけじゃない。
二人、三人、四人。限りは無く、たくさんいる。
しかし何人いても、そのうち一人でもいなくなってしまえば…。
「…歳だなぁ」
悲しいものなんだよ。
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さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして!ありがとうございます(/ω\)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します! (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして!一気に全部読んでしまいました!とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです!!更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ!近いうちに更新させていただきます!頑張ります! (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れ - 全部一気にみちゃいましたら!凄いおもしろいです!待ってます、つぎの更新! (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年9月8日 14時