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Aside
「動くな」
もう捕まっていたと思った、一人の男。
その男の周りには今にでもとびかかろうとしている警察官がいたが、男が持っているスイッチをみて動けずにいた。
「これを押せば、爆発する。今すぐ二人を解放しろ」
マスク越しからでもわかる、緊張と自信の表情。
勝った、なんて思っているのだろうか。
「押せばいいじゃん」
あっけらかんと言い放つ私を、周りの人達は驚きの目を向ける。
人質だった歩美ちゃんに、一緒に来た人たち、警察。
そんな周りに動じず、私はただ鼻で笑った。
「押せるもんなら押してみろって言ってんの。あんたにそんな度胸あんの?」
「なっ、な!」
「おいっ!いらん挑発をするな!」
犯人の戸惑う声と警察官が私の挑発を止める声。
その声に耳を貸さず、私はとある一点を見つめながらまた挑発を始める。
「押したらおわりじゃん、それを理由に警察があんたをとらえるのやめてるのに、爆発させればもう辞める理由なんてない。ただ罪状が増えるだけ。
…それでもいいなら、どうぞ」
「は、はは!そんなこと言って俺がやめるとでも?逆だ、もう後戻りは出来ねぇ、なら、巻き込めるだけ巻き込んで、逃げる!!」
私の挑発に上手く乗った犯人は、持っているスイッチを震える指でなぞる。
警察はその犯人をどうにか抑えようと飛びつくが、遅かった。
犯人の指が、スイッチを、押す。
「ははっ、ははは!!……あ?」
勝ち誇ったような犯人の笑い声がぴたりと止まる。
警察もポカンとして、周りを見渡した。
「…爆発、しない?」
爆弾のスイッチを押したはずなのに、どこからも爆発音が聞こえないし火柱も見えない。
警察はその状況を確認した後、放心状態の犯人を容赦なく捕らえた。
「何故、何故だっ!?これをおせば三か所爆発するはずだったのに!!」
「さぁ?運が悪かったんじゃないの?」
黒マスクの向こう側から焦った声が聞こえる。
運が悪かったんだ。
よりにもよって、公安を敵に回したのが。
ふっと笑ってその場を離れようとした時、さっきまで見ていた所から金色の髪が見えた。
この事件、最初から最後まで私と降谷が関わってるんだもんね。
解決できない方が、おかしいよ。
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さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして!ありがとうございます(/ω\)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します! (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして!一気に全部読んでしまいました!とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです!!更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ!近いうちに更新させていただきます!頑張ります! (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れ - 全部一気にみちゃいましたら!凄いおもしろいです!待ってます、つぎの更新! (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年9月8日 14時