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Aside


「動くなぁああっ!!」




広場に出ると、雄叫びのような、野太い叫びがその場に響いた。
その声を発したと思われる黒いマスクをかぶった主の腕の中には、可愛い女の子…歩美ちゃんの姿が。

やっぱり…。




「一歩でも動いてみろぉ…このガキが、どうなるか、わかるなぁ…っ」




緊迫した空気がその場を包んでいた。

私はそんな空気から一歩離れたところで隠れている。
タイミングを、計っているのだ。




「要件は、なんだ!」




視点が定まっていない、刃物を持った犯人に、多分警察の人が叫んだ。
その警察は警官服を着ていないので、私服警官と見られる。

私はそんな犯人と警察との会話を聞きながら、ゆっくり、ゆっくりと足を進め犯人の右側へ。

気づかれないように、犯人にも、警察にも、死神にも気づかれないように息をひそめて。




「要件…?…、羽渡の事件についての資料だ。今すぐ用意しろ。…公安が、公安が受け持っていただろう!!」




少し前のめりになった犯人が、持っていた刃物で偶然ではあるが歩美ちゃんの首の皮に傷をつけた。
…これは、危ないな。
私は決心して、その場を走り出した。

いや死に急いでいるわけではないから。




「うわぁああああああっ」

「!?」




無我夢中で後ろから何かに追いかけられているかのように、私は後ろを向きながら犯人の近くまで走った。
勿論私が狂ったわけじゃなく、お得意の演技というものだ。




「お、お前なんだ!?止まれ!!このガキがどうなってもいいのかっ!?」

「いや後ろから虫の大群が…ってうわあああナイフぅううう!?」




マジでとち狂っているアラサー近い女にしか見えないけれど、ちゃんと作戦だから引かないでほしい。…いやほんとに。




「え、ぇ、何が…っ?」

「…っち。…女大人しく、こっちにこい。…お前らも、変わらず動くなよ」




私が手を上げ、ビクビクとしながら犯人に近づくと、またどこからか黒いマスクをかぶった二人の男がやってきた。

…犯人の、仲間だ。



その今さっきどこからかやってきた仲間に、私はナイフをちらつかされ、私も人質の一員となった。


.

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さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして!ありがとうございます(/ω\)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します! (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして!一気に全部読んでしまいました!とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです!!更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ!近いうちに更新させていただきます!頑張ります! (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
- 全部一気にみちゃいましたら!凄いおもしろいです!待ってます、つぎの更新! (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2018年9月8日 14時

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