８億当てたけど、そんな生活変わらない。【名探偵コナン】

１８０億 ページ41

Aside


「風見さん」

「っ栃木さん！？」




風見さんは予想通り驚き、かと思ったらごほんと咳払いしてすっと真顔に戻った。




「……今の貴方は一般人なのです、逃げてください」

「逃げないけど」

「私が降谷さんに怒られます」

「じゃあ一緒に怒られましょ」





ね？と笑うと風見さんは眉間にしわ寄せ、それを伸ばすように人差し指を眉間に押し付けている。

そんなに私問題児発言したのかな。なんかごめん風見さん。

そんな私たちのところに、警視庁の公安部の人が真面目な顔してやってきた。




「お話中すみません風見さん」

「…なんだ」

「犯人が、表に出ました」

「なにっ？」




表、ということは今回の犯人は裏でコソコソするタイプだったということだろうか。
まあ、爆弾作って騒ぎ起こすくらいの人だしね。

それで、それがどうしたのだ。早く捕まえればいい。
表に出たのだったら早いでしょ。




「…そして、遊びに来ていた子供を人質に」

「…わかった。君は持ち場に戻ってくれ、私が行く」




了解しました、と返事をし、公安の人は走ってきた道をまた走って戻っていった。

遊びに来ていた子供を人質…？


嫌な予感意外なんの予感がするんだ。




「風見さん、ここは私が交渉しに行きます」

「何をバ…言ってるんですか…！」

「今バカって言おうとしました？今風見さんバカって言おうとしましたよね？」




一応私降谷と同じ地位なんだけどなぁ、おかしいなぁ、まあいいんだけどさぁ。

なんか部下さんからの私の扱い、他の人よりなんだか雑な節がある。不思議ね。




「んんっ…。
…犯人は、武器を持っています。きっと爆弾も仕込んでいるでしょう。生身の貴方が行っても」

「生身の私だからいいんじゃないですの。
生身の、貴方がいう、一般人だから、出来ることもある」




警察じゃない私ができること。

それは相手を油断させること。
相手は追い込まれている、そこで警察を出せば人質が無事に救出できる可能性は断然低くなる。


きっと、その人質の子供っていうのは、私と一緒に来た可愛い小さなお友達の誰かだろうし。


そう、言いきれちゃう。




絶対に、救わなきゃ。



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