166億 ページ27
Aside
「で?なんで降谷がこんなところに。他の仕事は?」
「ない。…お前がコナン君に変なこと喋ってないかと来たんだ」
「え、聞いてたの」
「いや、遠くて聞こえなかったがとりあえずお前が全裸で俺に抱きついてくるってのは聞こえた」
「いや降谷じゃなくて、安室さんにだし。てかそもそも全裸で抱きつかないし」
そうですか、なんて安室スマイルで言ってくるもんだから、軽く腰あたりをしばいておいた。
何を望んでいるんだお前。
「…ねぇ降谷。ずっと思ってたことがあるんだけどね」
「…なんだ?」
「降谷のその、安室さんのキャラってさ
ケンを、意識してるの?」
『安室さん』を初めて見た時も、実はふと、思ってしまった。
物腰のやわらかさ、誰にでも好かれるその笑顔
そりゃあケンと違うところなんて沢山あるけど、なんだか、意識しているように見えてしまって。
「ハギを、思い出すか」
「…うん」
「そうか、ならそうなのかもしれないな」
ふっ、と笑って助手席の扉を開けた降谷。
とりあえず入れ、ということなんだろう。寒いし。
私は降谷の思うとおり、開けてもらったドアから助手席に乗り、持っていたカバンを足元に置いた。
すると降谷も運転席に入ってきて、ドアを閉め暖房を効かす。
「栃木」
「なに降谷」
「ハギのこと、好きか」
「…好きだよ」
「そうか」
降谷はそう答えて、ハンドルを握った。
車が出発する。
「家は?どこだ、送る」
「…ありがと。じゃあそこの角曲がってー」
どうしても本当の住所を教えることが出来なくて、私はポアロの履歴書の方に書いた住所を教える。
私ね、降谷の
この好きは、どの好きかはイマイチ分からないけど。
昔から降谷が好きだってことは、変わりない。
「前を向いて進む降谷は、本当に尊敬する」
「…」
「私は降谷みたいに強くなりたい」
「…」
「強く生きたい」
視線は窓の外で、独り言のようにぽつりぽつりと呟いていく。
らしくないけど、今はそういう気分。
「…明日、仕事午後からだろ。ちゃんと家帰ったら寝ろよ」
「わかってる」
降谷はただ、前を向いていつもより安全運転で私の家まで車を走らせた。
降谷の気持ちを、私はまだ気付かないふりをする。
__
シリーズ1!100万ヒットありがとうございます!
4127人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして!ありがとうございます(/ω\)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します! (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして!一気に全部読んでしまいました!とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです!!更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ!近いうちに更新させていただきます!頑張ります! (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れ - 全部一気にみちゃいましたら!凄いおもしろいです!待ってます、つぎの更新! (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年9月8日 14時