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Aside
「私、警察より、きっとポアロの店員の方が似合ってるんだろうな」
「…なんで?」
いきなりの私の言葉に、コナン君は私を見上げ聞いてくる。
さっきまでなかなか私の方を見てくれなかったけど、今は見てくれているということは…私の敵説が薄れてきたってことなのかな。
「私、死ぬの怖いんだ。それに、周りが死ぬのも怖い。
いっぱい死んじゃったんだよ、私の友達、家族、仲間…恋人」
警察やってると、死を近く感じる。
実際、私の大切な友人と恋人は警察だったから死んでしまったから。
私が警察をやっていなかったら彼らは死んでいなかったとは思えない。
けど彼らがもし、警察にならなかったら今もまだ生きていただろうとは思う。
松田に、ヒロに、伊達に…ケン。
ヒロや伊達には、私が警察になろうとしていなかったら出会えてなかったけれど。
出会って、楽しい日々を過ごし、そして最後には若くして、死んでしまうくらいなら…。
出会わなかったほうが。
「Aさん、死っていうのは誰の近くにもあるんだよ。
俺やAさん、蘭や安室さんの近くにだって。警察だからとか、関係なく、誰にでも死はあるんだ」
「コナン、くん」
「死と生は隣り合わせってよく言うだろ?
…もし、今の自分の選択肢を悔やんでいるのなら、考え直してほしい。一つの選択肢が違うだけで、俺達は出会えてなかったかもしれない。
そりゃあ、あの時こうしてれば…っていうことがあるのはわかってる、俺だって、そんなのいっぱいある。
でも、でも今は前を向いて行くしかねぇじゃん」
コナン君はそう、たくさんの気持ちが込められた目で私に訴えかけてきた。
…私はそんなに言われるほど、思いつめた顔をしてたのかな。
小学生に、いや高校生にこんなこと言われるなんて…公安失格ねおばちゃんったら。
「おりゃっ」
「っちょ」
くしゃくしゃーっとコナン君の髪の毛をかき乱し、止める声も聞かずに私はつづける。
そして思いっきり撫でた後はぎゅっと抱きしめた。
「!?っAさ」
「んー聞こえない聞こえない。おばちゃんは今若者のパワーをもらっているのだよ」
「…」
「…わかってるよ、コナン君。もう、前を見るしかないもんね。
大丈夫、私は生き急いだりはしないから」
私が小さくコナン君にそういうと、コナン君はそっか…といって私の腕の中でジッとしていた。
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さち - おもしろくて続きが気になります。よろしくお願いします。 (2019年4月6日 16時) (レス) id: a3a6f8d111 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなさん» はじめまして!ありがとうございます(/ω\)私生活に落ち着きがもう少しでできるので、がんばって、更新します! (2019年3月15日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - はじめまして!一気に全部読んでしまいました!とてもドストライクなお話で素敵すぎて大好きです!!更新とても大変なことだとは思いますがこれからも応援しています♪ (2019年3月15日 12時) (レス) id: 43ab538aea (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - れさん» ありがとうございますっ!近いうちに更新させていただきます!頑張ります! (2019年2月12日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
れ - 全部一気にみちゃいましたら!凄いおもしろいです!待ってます、つぎの更新! (2019年1月20日 19時) (レス) id: de813ae323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年9月8日 14時