黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fourth【黒子のバスケ】

１７９Ｑ ページ40

Aside



正邦高校と戦う前日、バスケ部全員で正邦のデーターを見ていた。


何と言ってもディフェンスの上手さが群を抜いている。

というか中学の時、この中の一人の津川君って人…凄く苦戦した思い出があるなぁ…。


涼太がまず津川君のマークについてて、嫌になって誰かマーク変わって！何て言うから仕方なく俺がマークついたんだ。

そしたらなんかもうディフェンスのしつこさが神ってて、珍しくイラついちゃって俺もファウル貰っちゃってさ。

まぁそこでやり返さないって言う選択肢はなかったから思いっきり笑顔でいろいろやり返したんだけどね。




そんな懐かしい過去のことを思い出して次の日。


緑間君がいるコートでアップを取っていると、火神が緑間君にガンを飛ばしていたようで、日向先輩に首を横に九十度ゴキっと曲げられていた。




「…！」



火神の様子を見て軽く苦笑いを浮かべていると、緑間君が俺のことを見ていることに気が付き、俺は笑って手を振った。

すると緑間君はふっと柔らかく笑い背を向け、ボールを手に取りそのままリングに投げた。


変わらない彼の様子に、少しホッとする。


そんな中で、あー！という明るい声が聞こえた。

その声は俺に向けられたものではなく、火神に向けられたものだった。





「うっわ〜、髪赤ぇ〜！こぇぇ〜！」




…この彼の挑発的な態度は、中学のころから変わらないみたいだ。

津川智紀、津川君。

あー、ほんとこの坊主頭から変わらないんだね。




「それに長崎君。久しぶりー！俺の事覚えてる？あは」

「…久しぶり、覚えてるよ津川君」





にこっと作り笑顔を浮かべて、反射的に一歩後ろに下がる。





「主将(キャプテン)ー！この女顔と赤髪ですよねー！誠凛超弱いのに、二人も凄いヤツが入ったってのー！」





名前知ってるくせに女顔ってなんだ、なんで俺の事態々女顔って言ったんだこいつと思っていると、津川君の先輩が津川君の坊主頭に拳を入れた。

なんでも彼は本音が出るんだと、先輩が代わりに謝ってる。

そしてその先輩も誠凛のことを言いたい放題ボロクソに言って、オブラートに包めないんだと言い、自分のチームの元へと去って行った。




…いや、王者だからってそういう言い方はないんじゃないかな。


.

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