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170Q ページ31

Aside


「長崎もあの珍しいパン買いにきたのか?」

「はい、買えなかったら今後の筋トレとフットワーク三倍にされるんですよ」

「それは…なんとも鬼畜な…」




明らかしゅんッとした表情を浮かべると、先輩は同情の目を俺にむけ、自分の前を空けた。




「長崎にはいろいろ世話になったからな、少しでも前に行くがいい」

「えっ、そんな」




先輩は謝りながら、自分より前にいるチームメイトに俺を前に行かせてやってくれと頼んでいた。

そういえば、この先輩副主将だったっけ。
俺はすんなりと道を開けてくれたラグビー部の人達にお礼と謝罪を言いつつ、パンの元へ近づいていく。


先輩のおかげで大分前に行けたが、まだパンは届かない。

ぎゅうぎゅうと体が押されて凄く窮屈。早く買って、戻りたいという思いが強くなる。




「あれっ、Aじゃん!おひさーっ!」

「へっ、あ先輩、おひ、さしぶりですっ」




人ごみの中でつぶされてみると、知り合いによく会うようだ。

この女の先輩は少しギャル目の恰好をしていて、一つ上の先輩。勿論帝光中学出身。




「ぷははっ、A大丈夫ー?」

「何で先輩そんな余裕なんですか…っ」

「わかんない、運かな」




そういって笑う先輩の手には、イベリコ豚カツサンドが二つ握られていた。

いやマジで運いいなこの人。




「A、もしかしてこのパン買いに来たの?」

「あ、はい。部活の先輩の指示で…」

「だったらこれ一個あげる〜。…中学の時、男運がない私はAに助けられたからねぇ」




ほい、と人ごみの中で渡され、俺は断ることができず受け取る。




「お金…」

「いいって、いいって。あん時のお礼、貰っとけって」

「すみません…助かります」




にへらっと笑って、先輩にお礼を告げる。

こういう時、人助けして、なんか良かったなって思う。


俺は先に行ってしまった、パンをくれた先輩になんとかついていき、人ごみから出た。



そして火神や黒子達の元へ行くと、すでに黒子の手にはパンが握られていた。


.

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  • 恋愛運: ★★★☆☆
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京香 - 面白いです (3月15日 18時) (レス) @page3 id: 5d3db323b9 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 沙也加さん» た、確かに!?長崎君の顔の広さを表現したすぎてうっかりしてました…ありがとうございます!!これは気になる!!お恥ずかしい! (2021年12月27日 0時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
沙也加(プロフ) - 169Qで「仲の良いラグビー部の二つ上の先輩を見つけた」という言葉なのですが、誠凛高校は、創立2年なので、2年生までしかいません。細かくてすみません。気になってしまって(^_^;) (2021年12月26日 22時) (レス) @page30 id: 20667333f4 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 141話の「心臓が死にそう」は「心臓が止まりそう」では? (2019年2月15日 10時) (レス) id: 9dc9d79e7e (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - はなにゃーさん» え、そんなこと言われたら嬉しすぎますよっ!?ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます!! (2018年10月28日 20時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2018年8月3日 13時

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