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Aside
「それじゃあ後はすみませんがお二人で!」
「はーい、お疲れ様でしたー」
梓さんが用事でポアロから姿を消した瞬間、私は背後に恐ろしい気配を感じた。
しかしあえて振り向かない。
ずっと無言で、アイツも私が振り向くのを待っている。
…し、仕方ないな。
「…えーえっと…安室さん?いい天気ですねあは」
「そうですね、ほんといい天気です。で、」
ガシっ、とつかまれた右腕。
そしてにこりと黒い笑みを浮かべる降谷。
この顔は安室の顔じゃなくて降谷だ。
いやだ離して変態。
「長い間どこほっつき歩いてたんだよバカ野郎ォ…」
「ごめんなさいいいい」
めちゃくちゃド低い声で言われたもんだからつい反射的に謝ってしまう。
いや、最初から謝ろうと思ってたよ?でもなんか素直に言えなかったから…。
あは。ごめんね降谷。いやまじごめんなさい。
「お前、連絡も取れなくて…どこに住んでんのかもわからなくて?二年どれだけの人が心配したと思ってんだああ?」
「え、皆心配してくれてたの?」
「半々だな。心配する奴と、どうせお前だしどうにかして生きてるだろうってやつ」
「いや私の扱いな」
はは、と乾いた笑みをこぼし遠くを見つめる。
いつ離してくれるんだろうこの手。
「…けど、生きてんのは知ってた」
「あらまどうして」
「…ちゃんと、…それぞれの命日に墓参り行ってただろ」
「はは、当たり前。降谷も行ってたね」
なんてまた笑って、グッと何かをこらえる。
やだなぁ、もう七年も経つのに、三年も経つのに。
やっぱり歳みたい、涙腺弱いわぁ。
「まあお前が忘れるわけないな」
「はは、…降谷も。忘れてないじゃん」
「あぁ…」
店内にすごく重い空気が流れる。
会った瞬間これってどんなんだよってねぇ。
「ま、今はそれより…」
「待って何で携帯構えてんの。待って待てこら」
ヤバいよこの人、職場に連絡入れようとしてたよこの人!!
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ムニエル(プロフ) - ナイフ向けられて蹴った場合には正当防衛に当たりませんよ笑笑 (2021年12月23日 20時) (レス) @page11 id: fc3a6cbfb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 明里香さん» 直しておきますね!ありがとうございます! (2019年11月2日 21時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 13話、「店長」とありましたが、ポアロでは「マスター」だと思います。 (2019年11月1日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - かとりさん» これは私が完全に入力し忘れですねっ!!!やばいごめんなさい地理の知識無さすぎて泣きそう!!行きました!いろいろありがとうございます!! (2019年6月28日 22時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
かとり(プロフ) - 主人公さん、日本一周で東北だけ行かなかったのでしょうか…?読み始めたばかりですが、既に面白く、どんどん読み進めさせていただきますね! (2019年6月28日 1時) (レス) id: 2c38dfc0c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年6月23日 20時