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「Aさん?」
「や、なんでも、ないよー」
へらへらと笑い返し、目を伏せる。
そんな私に、沖矢さんが手を伸ばす。その手は私の頭の上に置かれ、ポンポンと上下された。
ぽかんとしているのは私だけじゃなくて、その場にいたコナン君も。
けれどこの感触、どこかで。
どこかで、昔あったような。
それもまだ私の兄が生きていて、そう、あの写真立てに飾られてる写真に写っている彼の手にとても似て…。
「シュウイチ、さん…」
「!?」
「…ほう、」
「っ、わ、私何言って…」
思わず口からこぼれた名前に自分でもびっくりする。
シュウイチさん、兄の友人。友人だと紹介されたけど、本当にそうだったのかはわからない。けどよくそばにいた人。
兄の面影を感じて、胸がいたくなる。
喧嘩はよくしてたけど、してたけど、やっぱり私の大切な家族だったから。
「君は君のお兄さんと、やはり似ているよ」
「…っへ!?」
それどういうことですかと問いただす前に、眉を顰めた安室さんが足早に帰ってきた。
なんだ、私が沖矢さんに頭撫でられてたから嫉妬か。
「皆さん今すぐ外に出ましょう」
「え」
自惚れていました。結果的に。
そんなこと思う暇なく、安室さんは焦ったように私の腕をひっぱる。
何が何だかわからない私達だったが、その直後、鈍い爆発音が遠くで響いた。
爆発音である。
何かのイベントかと思ったが煙と火が見えたことで、ただ事じゃないことを察する。
「あ、ああ安室さん、これはっ」
「爆破テロです、早く外へ」
焦った顔を隠さず私の手をぎゅっと握り直し外へ向かう。
出口までは遠い、急がないと本気で死んでしまう。また爆発音が鳴った、これは被害者が出ているに違いない。
いやだ、死にたくない。
私も、私の兄のように爆発に巻き込まれて生涯を終えてしまうのか、なんて。
「Aさん」
「Aさん」
私の手を握る安室さんと、コナン君を抱く沖矢さんに同時に名前を呼ばれる。
「貴方を死なせはしない」
「意地にでも、な」
「…意地にでも死にませんよ!私はいいからコナン君を守ってください!!」
不安を胸にしまって、今は逃げることを優先する。
爆発は数度起きた。
そして次は、私の足元で起きる。
「っうそでしょ!?」
「Aさん!!」
直接ではない爆発だったけれど、足元が崩れる。丁度私の足元だけが崩れて、瓦礫のと一緒に一階下に落ちそうになる。
落ちそうになる私を片腕で、安室さんは必死な顔して引っ張っていた。
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こたきんぐ(プロフ) - ぱるむさん» こちらにもコメントありがとうございます…!完結はしようとおもっていますので、、、申し訳ないです… (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - 復活待ってます!すごく面白かったです! (2021年2月15日 18時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - まいさん» ありがとうございます!更新ゆっくりになりますが、がんばりますっっ! (2020年2月22日 20時) (レス) id: f2404a4c45 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - めっちゃ面白いです!!続き気になります!これからも更新頑張ってください^_^ 楽しみにしてます(^^) (2020年2月12日 19時) (レス) id: 51e87b9769 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - わさびさん» だぁありがとうございますっ!!まじですかw奇跡ですねwちょくちょく頑張ります! (2019年5月22日 12時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2018年4月24日 21時