２９Ｑ ページ31
Aside
先輩に言われた通り、俺はいっぱい練習をした。
先輩たちにどうにかお願いして、第二体育館の鍵を預かって帰りのカギ閉めを任せてもらって、一番遅い時間まで残った。
「…っ、もっと、うまく」
もっとうまくならなきゃ、一軍になれない。
先輩が託した想い、俺の意地。
いろんな思いが混ざって、思わず遠くからやけでボールをゴールに投げた。
そりゃもちろん俺は天才じゃないから、そんな適当に投げたボールは壁にはじかれ、ころころと転がってくる。
シーンと静まる体育館に、俺はただ一人、ぼーっと突っ立っていた。
どれくらい経っただろうか。そんな俺に声をかけた人がいた。
「うおっ！びっくりした…、お前何やってんだ？ただ突っ立って。」
黒髪で鋭い目つき。顔は整っており、身長も高く、筋肉もある。
確かこの人、一軍の…二年生の先輩だ。名前はわからないけどバスケ、うまかったなぁ。
「…すみません。ちょっとスランプ中で、ぼーっとしてました。」
「…ふーん。お前一年だろ。」
「あ、はい。」
「名前は？」
「長崎Aです。」
長崎、ね。と復唱して、うんうんと頷いた先輩。
かと思ったら、ん？と何か思い出したかのようにこちらをじっと見つめてきた。
「長崎って…確か先輩とコーチが話してた時、名前出てきた奴か！
へー、お前結構推されてんのに努力してんだな。偉いぞ。」
「…推してくれてるのはとてもありがたいことなので。努力して、一軍に上がって感謝の気持ちを返さなくては。」
「…お前ほんとに中一か？」
「何でですか？」
「あ、いや…一か月くらい前まで小学生だとは思えなくてだな。言葉遣いとか？ちゃんとしてんなーって。」
そうですか？と首を少し傾けて笑って見せる。
よく言われます、それ。
「おっと、そういえば俺の自己紹介してなかったな！すまん。
俺は二年の虹村修造、よろしくな。」
にかッと笑って手を伸ばす虹村先輩。
俺はその手を笑顔で握り返した。
．
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
黄瀬涼太の幼馴染みだからと言って、同じ高校に行くとは限らない。Fourth【黒子の... 大魔王なおれ(♂)がチート勇者(♂)に迫られている件。【勇者×魔王】【オリジナル】 【BL】予想以上にBLゲーム【男主】
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小動物もふり隊 - 凄く良いお母さん (2020年5月26日 11時) (
レス) id: 7205007716 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アオさん» そうですありがとうございます！ (2019年2月14日 19時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ルイナさん» 遅くなりましたが(もう見てるかわからないけど)ありがとうございます！頑張ります！ (2019年2月14日 19時) (レス) id: 4d87c6d951 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - あの、43話の「目配らせ」は「目配せ」では？ (2019年2月14日 12時) (レス) id: 9dc9d79e7e (このIDを非表示/違反報告)
ルイナ(プロフ) - 面白いです続きもとても楽しみにしています！頑張ってください！ (2018年6月30日 12時) (レス) id: 29bcf3ece3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年4月3日 13時
