黄瀬涼太の幼馴染みだからといって、目立ちたがり屋ではない。【黒子のバスケ】【男主】

８Ｑ ページ10

Aside


入学式の次の日、俺はいつも通り六時に起きて、顔を洗って、新しい制服を身にまとった。

学校の用意は、前の日にするタイプではないから今する。

ごそごそとまだ眠いけど仕方なく用意出来たら、下に降りて、俺より先に起きている母さんに挨拶をした。




「おはよう」

「あーAおはよー。まだ朝ご飯出来てないからちょっと待っててね。あ、牛乳出しといて。」

「うん。」




母さんは朝には強いほうで、声がもうはきはきしている。

まだ父さんは起きて無くて、母さんと反対で父さんは朝に弱い。




「A、お父さん起こしてきて。」

「わかった。」





だからだいたい俺に起こすのを頼んでくる。俺は冷蔵庫から牛乳を出して、父さんが寝ている部屋にいった。





「とーさん、朝だよ。ご飯だよ。」

「…ん…あと、五」

「五分って言って結局十五分寝るんだからダメ。会社遅れるよ、起きてね。」

「Aも母さんに似てきたなぁ…。」





とても眠そうな声でそんなことを言ってくる父に、俺は鼻で笑って、リビングの席に着いた。





「お父さん起きた？」

「いつも通り。」

「そっか。じゃあ食べちゃって？涼太君と一緒に行くんでしょ学校。」

「うん。」





母さんが作った朝からしっかりしている朝ご飯をいただきます、といって口に運ぶ。

母さんは料理が得意だ。なんでも小さい時から趣味で料理をしてたんだって。

だから俺も母さんに教わったりしてる。





「A鍵持った？お父さんと私、両方仕事だから鍵しまってるのは…まあ小学校からわかってるか。」

「ちゃんと持ってる。今日はいつも通り？」

「うん、遅くならない。多分六時半くらいまでには帰るから。」




母さんはとある人気ゲーム会社に勤めている。しかも結構上の立場の人なんだって。

自分の母さんのことを褒めるのはなんだか気が引けるが、母さんは頭がいい。

医者にもなれたかもしれない、けど小さい時からの夢でちゃんとその専門学校に通って、ゲーム会社に入ったらしい。

そして父と出会ったのは、高校時代だと言っていた。


そんなことを考えながら朝食を完食したら、洗い物を洗い場に置いて、部屋に戻った。


それの入れ違いに、父さんが起きてきて、朝から母さんといちゃついている。


…結婚何年目だ、新婚じゃないだろ。



俺の家族形成は父、母、あと二個上の兄貴がいる。




…その兄も、結構な変わり者だ。


．

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