名前も出したくない男の時間 ページ20
Aside
イリーナ先生が心配で少し憂鬱な帰り道。
一緒に帰っているカエデちゃんと渚君、杉野も心配を隠しているんだろうけど、やっぱり顔に出ている。
いつも通りの分かれ道で別れて玉狛まで一人道。
日が沈むのが早くなり、もう薄暗くなって街灯の灯りがつく。
視線をなんとなく下げて歩いていると、薄い影が街灯の光でこちらまで伸びてきた。
「……あ？」
「よお」
顔をあげると今後一切顔も声も聴きたくない男の姿があった。
視界に入れてしまえば最後、憎しみを込めた目でそいつを睨みつける。
「相変わらず腹の立つ目をしてるな。殴りたくなる」
「……何しに来た」
「…財布出せ」
「…今月分もう振り込んだろ？まだ足りないのかよ」
「舐めた口きくな、誰のおかげでガッコウいけてると思ってる？」
「別にあんたのおかげではない」
チッと派手に舌を打ったこいつは私の方へ近づいてきた。
私はそれに比例するように後方に下がっていく。
顔は赤くない、酒の匂いはしない。
今日は素面か、素面でこれか。
「…っ本当は、お前にやる金なんて無い！のに、仕方なく、やってんだから満足しろよ！そういう約束だったろ！？月に一度まとまった金を振り込むから私の前に現れないって！」
「あのなぁ、お前わかってんのか。てめぇが椚ヶ丘に受験できたのは
「あんたと血が繋がってるなんて嘘だ。…母さんとお前は、赤の他人だ」
「残念ながらな、それはないんだわ。俺とお前の母親…
この戸籍上だけが私の叔父の
…私の家族が死んだとき…、私がこいつの養子に入ってから一番最初にその口から出た話は保険金のこと。
その時の何もわからない私はまんまと唐咲の思うとおりに事が運び家族全員分の保険金がこいつのところへ入った。
そのお金の半分はすぐにギャンブルで溶かされ、なんとか残ったお金は私が私立学校に入るためのお金となった。
本当になんとか、国が守ってくれていたようなもので。
まだ未成年の私には保護者がいる。
施設に入ってもよかったけど、唐咲は金のために私を養子に取った。
はじめはこいつも仕事へ行っていた、けど保険金が入ってきたことでこいつは仕事をやめ、遊び惚けた。
あげくには私に手をあげたり、経済的暴力をしてきたり。
とにかく最低な奴なのだ。
.
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
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おみくじ結果は「末凶」でした！
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kkkko(プロフ) - アカウント変わってしまいましたが以前から何度も読ませて頂いております。難しいとは思いますが続きを楽しみにしています。 (3月24日 19時) (
レス) id: 058d8792d8 (このIDを非表示/違反報告)
出水紫苑 - 初コメ失礼します。出水紫苑です。突然ですが、交換宣伝という形で宣伝していただけないでしょうか？ご検討お願いします。 (2023年1月23日 10時) (レス) id: ea54a37ee4 (このIDを非表示/違反報告)
みこと(プロフ) - 初コメ失礼します！本当に面白くて一気読みしてしまいました！もう続きは書かれないのでしょうか？… (2023年1月1日 3時) (レス) @page35 id: fce29c8a64 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - まりりさん» 初めまして！ありがとうございます、嬉しいです！コメントいただいたのでちょっぴり頑張ってみました笑 ちょこちょこ終わりに近づけるよう頑張っていきます！ (2022年2月17日 1時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
まりり - はじめまして。本当に面白いです。いつか続きが出ることを願ってます！ (2022年2月16日 17時) (レス) @page33 id: c117514f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2018年3月11日 14時
