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ごめんなさい…
ごめんなさい…
とにかく、薮くんの連絡先を探した。
…
マネージャーからの電話に出ると、慌てた様子だった。
「…A、スキャンダルが出たわ。
相手は……薮さんだそうよ…」
「……え?」
いつもは柔らかい彼女の声が、凍り付いた声色に変わっていた。
「とにかく、明日は撮影だから、ゆっくり休んで」
私を落ち着かせるように言われた言葉の真意を読めば…
自分が今何をすべきか分かる。
"何もしなくていいから"
"対処は事務所がするから"
"あなたが今動けば、余計騒ぎになるから"
だけど…それはできなかった。
ごめんなさい…
ごめんなさい…
ただそれだけを思って、この間交換したばかりの薮くんの連絡先を探した。
なかなか繋がらない携帯電話。
焦燥感だけが部屋の中に漂っている。
薮くんも…対応に追われているんだろうか。
またかけ直そう。
ネットニュースを見ると、この間、お家にお邪魔した時の写真が載っていた。
ーーーーー
“国民的女優、Aちゃん
大人気俳優、薮宏太宅でお泊まりデート!?”
ーーーーー
日付も服装も、同じだった。
完全に、非があるのは私の方だ。
焦って焦って、とにかく、夜が明けるのを待った。
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