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「俺なら泣かせねぇのに…」
「千尋…?」
「ハル、好きだ」
「えっ、ちょ、……」
目を合わせ、私の頬に手を添える有岡さん。
涙をその手の親指で拭き取り、ゆっくりと唇を重ねた。
有岡さんは、童顔で天然。
だからか何故か、時々何を考えているのか分からなくなるときがある。
「ん…っ、」
「はぁっ、千尋……?」
やっぱり、キスなんて慣れてるわけでもないから、緊張する。
有岡さんに触れられたところが、熱い。
これは、恋とかそういうのじゃなくて、普通にドキドキする。
「ごめん、…
私、千尋は大事な…友達だと思ってるから…」
「うん…でも、これで幸せになってこなかったら、本気にさせてみせる」
有岡さんは、…あぁ違う。
千尋は、どこか悲しそうに笑った。
でも、有岡さんって本当にこういう表情が上手で見入っちゃう。
「OK!」と監督から指示があり、セットから出る。
「大丈夫だった?」
「え?…あぁ、全然大丈夫です。
ありがとうございます」
何を心配して言ってくれたのか、心当たりがありすぎるけど…、
有岡さんの言葉に支えられた部分もたくさんあるから、
「ありがとうございます」と言っておいた。
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