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第十二話 ページ12

それから、また数ヶ月が経った。

新しい職場は本当に人手が足りていないようで、覚えることも多い中、実践で技術を身につけていくような毎日だった。

幸いここでも人に恵まれ、それなりに上手くやっていけていると思う。

蝶屋敷から少し離れたこの街はかなり都会で、人も多ければ病院も多い。

村とは全然違うので、山育ちの炭治郎はきっと目を回してしまうだろう。

しのぶ様に口止めはしていたが、炭治郎の粘り強さを甘く見てはいけないことも重々承知していたので、たまの休みに街に出る際は香水で自身の匂いを誤魔化していた。

街はお洒落な人が多くて、宇髄さんに化粧の仕方を習っていて良かったと本当に思う。

この日は、職場の先輩のお下がりの洋服に身を包み、新しい服でも探そうかと街をぶらぶらと歩いていた。

ふと、前方に見知った姿を見つけて、私は思わず近くの建物に身を隠す。

街中でも目を引く片身替わりの羽織。伊之助くんに“半半羽織”と呼ばれていた、炭治郎の兄弟子の姿がそこにあった。

建物の陰から恐る恐る顔を出して見ると、何やら数人の女性達に囲まれている。

……記憶の中にある水柱様は、女性の扱いに長けているようには見えなかったのだが、記憶違いだっただろうか。

何にせよ、私には伺い知れない事情があるのだろう。

そう思って踵を返したところで、腕を掴まれた。


「待て」

「ひぇっ」


突然後ろで声がして、変な声が出る。

振り返ると、義勇さんがしっかりと私の腕を掴んでいた。


「何とかしろ」

「何とか……?」


突然そう言われても、正直何のことかさっぱりわからない。

すると、先程義勇さんと一緒にいたらしい女性達が押し寄せてきた。

どうやら積極的な女性達に、熱心に誘われているらしい。


「お、お兄ちゃんってば、何処に行ってたの?母さん達も探してるよ。早く行こ!」


自分でも白々しい演技だと思ったが、女性達は何とか納得してくれたようで、私達はその場を離れることができた。

ほー、と息を吐き、少し背の高い義勇さんを見上げる。


「大丈夫ですか?」

「ああ、助かった」


この辺りにいるということは、任務の途中なのだろうか。

邪魔をしてはいけないと思い、「それじゃあ私はこれで」と立ち去ろうとすると、「待て」とまた腕を掴まれた。

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青野ゆあん(プロフ) - 尊い…//ヤバい…//なんかしっくり来る… (2021年10月4日 22時) (レス) @page23 id: a96dc153b8 (このIDを非表示/違反報告)
都和(プロフ) - とんでもねえ炭治郎だ…// (2021年3月31日 18時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
- とても良いお話でした。 キュンキュンしました。 (2021年1月20日 15時) (レス) id: be9c31a95d (このIDを非表示/違反報告)
まるた(プロフ) - 楓さん» 癒されましたか…!ヾ(●´∇`●)ノきゅんきゅんしていただけて本当に嬉しいです(*´ω`*)伝えてくださってありがとうございます! (2021年1月12日 20時) (レス) id: cd00dc408e (このIDを非表示/違反報告)
- テンポよくとても読みやすかったです。炭治郎に大切に想われていて、きゅんきゅんしました。とても癒されました。 (2021年1月10日 20時) (レス) id: d75e1d7ff0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるた | 作成日時:2021年1月5日 22時

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