第二話 ページ2
炭治郎の家族が殺された。
三郎爺さんが言うように、鬼が出たと彼は言った。
炭治郎のあの優しいお母さんも、竹雄も、花子ちゃんも、茂も、六太も、死んでしまった。
雪深い森の中で呆然とする私に、炭治郎は背後の木にぼうっとした表情でもたれかかっている禰豆子ちゃんを振り返りながら、口を開いた。
「禰豆子が、鬼になってしまった。禰豆子を人間に戻す方法を見つけるために、俺は、村を出るつもりだ」
「人間に戻すって……治療なら、私達では力になれないの？」
「……人間と、鬼は違う。俺は、おじさんやおばさん、Aを危険な目にあわせたくない」
炭治郎は、頑固で、責任感の塊で、
すごく、優しい人だ。
あまりにたくさんのことが起きてしまった彼にそれ以上かける言葉が見つからず、私の目からはポロポロと涙が零れる。
違う、泣くな。
本当に泣きたいのは炭治郎だ。
私は、彼の支えになりたいのに。
嗚咽を堪える私に近づくと、炭治郎は私の体を抱き締めた。
その手が優しくて悲しくて、私も彼の背中に手を回す。
「俺は絶対に、禰豆子を人間に戻す。どれだけ時間がかかるかわからないけれど……Aに、待っていて欲しい」
口を開くと嗚咽が漏れてしまいそうで、私は彼の言葉に何度も何度も頷いた。
炭治郎は少し笑うと、体を離して私の頭を撫で、そのまま禰豆子ちゃんの手を引いて行ってしまった。
雪の中を、一度もこちらを振り返ることなく進む背中に、彼はもう戻ることは無いのかも知れない、ぼんやりと思った。
けれど数年後、私達はまた出逢うことになる。
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青野ゆあん(プロフ) - 尊い…//ヤバい…//なんかしっくり来る… (2021年10月4日 22時) (
レス) @page23 id: a96dc153b8 (このIDを非表示/違反報告)
都和(プロフ) - とんでもねえ炭治郎だ…// (2021年3月31日 18時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
夢 - とても良いお話でした。 キュンキュンしました。 (2021年1月20日 15時) (レス) id: be9c31a95d (このIDを非表示/違反報告)
まるた(プロフ) - 楓さん» 癒されましたか…！ヾ(●´∇｀●)ﾉきゅんきゅんしていただけて本当に嬉しいです(*´ω｀*)伝えてくださってありがとうございます！ (2021年1月12日 20時) (レス) id: cd00dc408e (このIDを非表示/違反報告)
楓 - テンポよくとても読みやすかったです。炭治郎に大切に想われていて、きゅんきゅんしました。とても癒されました。 (2021年1月10日 20時) (レス) id: d75e1d7ff0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるた | 作成日時：2021年1月5日 22時
