赤と緑の関係（AＳ<ＳA） (ページ40)

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サクラバさんの奇跡 2 ページ40

この時期は、撮影がメインでとにかく忙しかった。撮影の為に移動して、夜に帰る。それが朝になることもザラで、疲れていたのかもしれない。

春先の雪は溶けやすく、山の中には数カ所、水溜りがあった。

雪に覆われていたため気付かずに、水溜りに足を取られた。

「櫻井さん、危ない！」

あっと思った瞬間、何かの衝撃を受けた。

えっ？硬い？

硬くて、ツルツルした何かにぶつかって、水溜りにハマらずにすんだ。

今の何？

「櫻井さん、大丈夫ですか？この辺り深い水溜りがあって、何人か怪我してるらしいです。
無事で良かった。」

「うん、びっくりした。でも何かにぶつかって助かったんだ。」

振り向いて確認したけれど、それらしきものは無い。雪と湿った足跡がたくさんあるだけだった。

一瞬、何かがキラッと光った気がしたが、心配したスタッフに抱えられていたために、よく確認が出来なかった。