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緊急事態   中原 ページ18

川端「中原殿!」


銃声の響く中でも、ハッキリと聞こえる川端の声。其れには少しの焦りが含まれていた。
彼奴の姿は、周りにいる男共に隠れて見えない。


中原「川端ァ!俺の援護に回れェ!」


川端「御意…!」



バタバタと倒れていく男共。其奴等は揃って心臓部分を抑えるようなポーズをしていた。



川端「彼の人に手を出したこと、存分に後悔しろ。」

「『異能力:古都』…」



川端が異能を使うと同時に、敵は胸を抑え苦しみだし、遂には動かなくなッた。

先刻のも、こいつが…………?



中原「おい、川端。手前は異能力者なのか。」


川端「……中原殿には、此の試験を合格してから御話ししようと思っていたのですが……どうやら、話すより先に使ってしまいました。」



こいつは否定の言葉を使わなかッた。つまりはそういうことだということなのだ。

首領はこの事を知ッていたのか。



中原「首領は、この事を知ッてンのかよ。」



ふとした瞬間に溢れたその言葉に、川端は「勿論。あれは俺の異能を買った張本人ですしね。」と答える。
あれ、とはどうやら首領のことらしい。



中原「…そうか、其れならいい。帰るぞ。」


川端「はい。」



こいつのことは未だ未だ謎が多い。が、実力は確かなようだ。
こいつに任せた方向には、無惨な殺され方をした死体がゴロゴロと転がッていた。
此方では異能を使わなかッたということが見てとれた。



中原「はっ…異能を使わなくても此の状況が作れんのかよ…。」


其れを軽く鼻で笑う。自分でも、何故笑ったのかは判らない。
感じたことはただ一つ。

「畏怖」だった。



ピリリリ



不意に響いた着信音を不思議に思い、ディスプレイに表示される名前を見る。


そこには、『首領』という表示が出ていた。





中原「はい。」


森『中也くん。川端くんを連れて直ぐに戻ってくれ。一大事だよ。』


中原「!判りました。直ぐに戻ります。」




エリス嬢絡みの時のような声のトーンではなく、重く、暗い声。
最近、巷を騒がせている、外国異能力集団について何か判ッたのか…?



川端「如何かなさいましたか?」


中原「…川端。今直ぐ本部に戻ンぞ。緊急事態だ。」


川端「其れでしたら、此処を右に曲がったところの非常扉から出れば短時間で本部へ戻れるかと。」


中原「でかした。行くぞ!」



此のときの自分は、首領からの連絡が、此の数日後に起こる大事件と絡んでいるとは思いもしなかッた。

平仮名ばかりの紙切れ   川端→←可愛い微笑み   島崎



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珈琲牛乳(プロフ) - そういっていただけるととても嬉しいです!私は慈さんの言葉選びのセンスが好きです!島崎さんや川端さんを存じているということは、本が好きなのでしょうか? (2017年2月3日 20時) (レス) id: f306460e6f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 珈琲牛乳さん» 何時も読ませていただいてます!珈琲牛乳さんの作品のお陰で、谷崎くん好きになったんですよ!本当に感謝しかないです! (2017年2月3日 20時) (レス) id: 83ed2febe6 (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(プロフ) - 慈さん» おお!谷崎君はあまり出てくることが無いので嬉しいです!!もしかして作品を見ていただいてるのでしょうか?ありがとうございます! (2017年2月3日 20時) (レス) id: f306460e6f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 珈琲牛乳さん» あああ有難う御座います!!真逆大好きな作者様にコメントしていただけるなんて…!!此れからの話では谷崎くんが出てくる予定です!頑張りますね!! (2017年2月3日 19時) (レス) id: 83ed2febe6 (このIDを非表示/違反報告)
珈琲牛乳(プロフ) - 島崎さんが呉服屋さんっていう設定が素敵ですね!更新頑張ってください! (2017年2月3日 19時) (レス) id: f306460e6f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:コシカヴァローナ | 作成日時:2017年1月6日 15時

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