・ ページ10
オーバーキル気味な彼女の言葉に、戦意を喪失しかけたモンスターを意にも介さず。
彼女はくるりと二人の方に向き直った。
「そこのおにーさん達もさ。
ソイツら、早くヤっちゃったほうがいいんじゃないの？」
くるくると指先で銃をもてあそびながら、彼女はただ飄々と質問する。
「ぉ、おう…でもよ、こいつらは一般人だ。
普通に攻撃したらケガさせちまうぜ？」
「…ふぅん」
なんでもない事のように毒を吐く彼女に、キングはいまだ「？」でいっぱいの頭でなんとか返事をした。
そんなキングの様子を一瞥し、彼女は何事かを考える。
何を思ったか、今度は操られている人々に目を向けた。
「んーーー…あーはいはい、そういうね。…うっし、大体わかった」
勝手に納得したかと思いきや、彼女は躊躇いなく人々に向かって銃を構える。
「そんじゃ、一発ウチがお手本見したげるわ」
そう言い、狙いを定める彼女。
あまりの突拍子もなさに、茫然自失だったモンスターも我に返り喚き散らした。
「…あ、き、貴様、何をして…相手は同じ人間だぞ！？殺せないだろう！」
まるで殺 人 鬼に向けるような言葉である。
「は？いやいや、んなコトせんわ！ウチ、仮にも勇者なんだが！？
ここまで飄々とした態度を崩さなかった彼女だが、流石に何か思うところがあったらしい。
声を荒げた彼女は、お前が言うな、と呆れたようにまた溜息をついた。
そして彼女はおもむろに振り返り、ソウジにも目線を向ける。
「とにかく！そういうことだから。
ほら、グリーン君も。銃下ろして？」
「！…バレてた、か」
息を張り詰め、ソウジは彼女に狙いを定めていた銃口をおろした。
味方のような姿形をしてはいるが、先程までの言葉の数々はとても味方とは思えないものだ。
故に警戒し、隙を窺っていた彼だったが…まさか看破されているとは。
「ま、悪いようにはせんからさ。大丈夫大丈夫」
「…どうだか」
こちらにまで意識を割く余裕すら持ち合わせる彼女の実力に、彼はますます警戒を強めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿伸メトリ(プロフ) - YUKIさん» 投票確認致しました。ありがとうございます！ (4月29日 7時) (
レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - コメント失礼します！アンケートは�，離屮鵐屮鵑�見たいです！！いつも楽しく見させてもらってます！頑張ってください！ (4月28日 10時) (レス) @page44 id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
阿伸メトリ(プロフ) - さーやさん» 投票確認致しました。ありがとうございます！ (4月27日 17時) (レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - コメント失礼します。アンケートは�，硫ζ擦離屮鵐屮鵑�見てみたいです。更新楽しみにしています。頑張ってください。 (4月27日 12時) (レス) @page44 id: e67a2619ed (このIDを非表示/違反報告)
阿伸メトリ(プロフ) - 紫音さん» ありがとうございます！投票、確認させて頂きました。楽しんで頂けているみたいで、すごく嬉しいです！自分と相談しながら、この調子で頑張ります！ (4月27日 8時) (レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：阿伸メトリ | 作成日時：2024年1月10日 20時
