・ ページ21
クッキーと共に色々な感情を飲み込んだイアンは、更に質問を重ねた。
「…それで、デーボス細胞を洗浄ってのは？」
「あーね…さっき戦ってたモンスターいるじゃん？
アイツの能力、相手に分身体を取り付けて制御する感じのヤツだったの。
脳みそから直接体を操作してたっぽい」
「…だから獣電池も効かなかったのね」
「そういうこと。
ま、ぶっちゃけトリックさえわかっちゃえば対処は簡単だったし？
本体を倒さなくても洗脳解けるのはありがたかったわ」
逃したけどさ…とまたぶつくさ言う彼女の言葉に、五人は苦笑する。
ガブラに服を引っ張られて思考の中から戻ってきた彼女は、バツが悪そうに少し目を逸らしつつ続けた。
「でね。アイツ、去り際に皆にも分身体を取り付けてたの。
気づいてすぐに殺 してはおいたけど…万が一を考えて装置を使ってもらったんだ」
言葉を切ると、Aは五人の手当された怪我を見る。
その痛々しい様子に、彼女は歯がゆそうな表情を浮かべた。
「ごめんね、怪我してたのにあんな山の中歩かせちゃって。
直接シーランが行ければ良かったんだけど…丁度整備中でさ。動けなかったんよ」
叱られるのを待っている子供のように落ち込んだ表情の彼女に、アミィは思わず声を発した。
「…大丈夫よAちゃん。
怪我も見た目ほど酷くないし、ここに来る間も楽しかったわ！
それに、おかげで…ね？」
「…その節は、はい…。
でも、こういうきっかけが無いと治療する機会も無かったと思うから。
本当、ありがたい限りだよ」
視線を向けられたノっさんは、呻きつつもアミィに賛同する。
「何より、Aちゃんのことをちゃんと知れたんだ。
俺はそれだけで充分だよ」
「…イアンが言うと意味変わってくるけど、そこは俺も同意かな」
「だな。戦隊の仲間になる第一歩として、これ以上のものはないぜ！」
笑顔で言う五人の言葉には、憤りも嫌味も全く感じられなかった。
「…ありがとね。
キミ達が強き竜の者ってのも納得だわ」
口々に言う彼らに、Aは内心ホッとしていた。
文句の一つ二つは甘んじて受け入れるつもりだったが…よもや擁護さえされるとは。
トリンが認めるのも納得の人格者達だった。
彼らのブレイブを甘く見ていたな、と考えながらAは笑う。
この先に訪れる彼らとの日々に、彼女はますます思いを募らせるのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
阿伸メトリ(プロフ) - YUKIさん» 投票確認致しました。ありがとうございます！ (4月29日 7時) (
レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
YUKI(プロフ) - コメント失礼します！アンケートは�，離屮鵐屮鵑�見たいです！！いつも楽しく見させてもらってます！頑張ってください！ (4月28日 10時) (レス) @page44 id: 5825403805 (このIDを非表示/違反報告)
阿伸メトリ(プロフ) - さーやさん» 投票確認致しました。ありがとうございます！ (4月27日 17時) (レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - コメント失礼します。アンケートは�，硫ζ擦離屮鵐屮鵑�見てみたいです。更新楽しみにしています。頑張ってください。 (4月27日 12時) (レス) @page44 id: e67a2619ed (このIDを非表示/違反報告)
阿伸メトリ(プロフ) - 紫音さん» ありがとうございます！投票、確認させて頂きました。楽しんで頂けているみたいで、すごく嬉しいです！自分と相談しながら、この調子で頑張ります！ (4月27日 8時) (レス) id: 958f0a5e6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：阿伸メトリ | 作成日時：2024年1月10日 20時
