剣士女と波乱の海 (ページ37)

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36話ページ37

目の前に本人がいるとも気づかないのがおかしくて

必死に笑いを噛み殺すA

真剣に聞いていてはとても隠せないと

意識を売り物の刀の方へ向けていた

店主「悪魔の実の能力者だ！充分化け物だ！！」

ｿﾞﾛ「悪魔の実……！？」

『へぇ…これまた懐かしい名前を聞いた』

ﾀｼｷﾞ「とにかく私は…！！

この時雨で剣士としてもっともっと腕を磨いて

いずれ世界中の悪党達の手に渡った名刀を

集めて回るんです！！」

刀集めに命まで賭けるという彼女に

いささか気が滅入ってくる

嫌な奴ではないことは確かなんだがな…

ﾀｼｷﾞ「そういえば"お兄さん"のその刀…！！

黒の鞘に水色の稲妻模様…！

もう一本は黒の鞘に赤の炎の模様…！

最上大業物の"青龍"と"朱雀"じゃないですか！？」

『お姉さんほんとに詳しいね…その通りだよ』

ﾀｼｷﾞ「まさか"四神"のうち2本も持ってるなんて…！」

『あぁ、2本だけじゃなくて、

ちゃんと"白虎"も"玄武"も揃えてるよ』

ﾀｼｷﾞ「凄い…！確か…！"白虎"は大太刀で、

"玄武"は短刀なんですよね！？」

『ﾌﾌｯ…そうだよ

この"青龍"と"朱雀"は打刀だけどね』

ﾀｼｷﾞ「わぁ…！"四神"なんて初めて見ました…！」

『ｸｽｯ…取り上げたくなったかい？

彼の刀も名刀なわけだし…』

ﾀｼｷﾞ「そんな…！私は別に名刀が欲しい訳じゃなくて…！」

『なら、そこの刀には興味はあるかい？』

そういって樽の中の1本を指さす

ﾀｼｷﾞ「この刀…！！"三代鬼徹"！！

これ！！…これにするべきですよ！！！」

やっぱりか…気配で分かった…

それにこいつは主人を呼ぶかのように気を放ってる…

ｿﾞﾛ「妖刀か」

店主「知ってたのか…！？」

ｿﾞﾛ「いや…わかる」

『確か今は…"鬼徹"を使ってる剣士は

1人もいないはずですよね？』

ﾀｼｷﾞ「ご、ごめんなさい！！

そんな恐ろしいもなだとは知らなくて！！

私…でしゃばっちゃって…」

ｿﾞﾛ「気に入った！！これをもらう！！」

『おれもそうするべきだと思うよ』

売るのを渋っている店主に運試しだと

刀を放り投げ、腕を上げ静止するゾロ…

あの刀はゾロを選んだ…腕が切れることはねぇな

…Aの予想通り、刀はゾロの腕を綺麗によけ

腕の真下の地面へ突き刺さった

刺さり具合から斬れ味は本物…ゾロは本物だということだ

ｿﾞﾛ「もらってく」ﾄﾞﾝ！