剣士女と波乱の海 (ページ30)

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29話ページ30

ルフィがAを投げ飛ばした

着地したAは意識がなく、モロに地面に突っ込む

幸いな事に、飛ばした方向はゾロの近くだ

ｿﾞﾛ「おい！女！生きてんのか！？」

『…』

ｿﾞﾛ「おい！…こいつ、ボロボロじゃねぇか…

おれを投げ飛ばしやがって…怪力女…」

『…お、い…ロロノ、ア…か…？』

ｿﾞﾛ「…生きてたかよ」

『よかっ、た…し、ななくて……』

ｿﾞﾛ「てめぇ、あいつの仲間だったんじゃねぇのか」

『…ノ、ジコから…話、聞かな、かったの…かよ…』

今にも出血多量で死にそうな中、

ゾロにいきさつを全て、簡潔に話すA

ｿﾞﾛ「そういう事かよ…悪かったな、疑っちまって…」

『それが…普通だろ…

さて、と…フゥ…行ってくるわ』

ｿﾞﾛ「お前…！そんな体でどこに！？」

『ナミが、待ってる…

ロロノア、ここで寝てろよ…？』ﾀﾞｯ

ｿﾞﾛ「おい…！ったく…正気か？あいつ

下手したら道中で死ぬんじゃねぇか…？」

折れた足でも何とか走り、入口まで戻ったA

『ナミ…！ルフィは……！？』

ﾅﾐ「A！？アンタ凄い出血…！！

早く手当しないと…！！」

『ルフィはどうなってる！？教えてくれ！！』

ﾅﾐ「建物の中なの！私達も様子が分からないわ」

『くっそ……！！』

ゲートをくぐったところで膝が折れ、

地面に崩れ落ちる

ｻﾝｼﾞ「Aさん…！！無茶だ！」

サンジに掴まれ、観戦に回る他なくなってしまった

静寂から一転し、激しい音と共に最上階から物が飛び出す

ｻﾝｼﾞ「机…」

『…！！』

ﾅﾐ「あ……」

次々とタンスや本棚、無数の紙が降ってくる…

『…なるほどな…サンキュ、ルフィ…』

ｻﾝｼﾞ「Aさん…！どこへ…！？」

『アタシの、部屋…！』

まだ2階は壊れてない…！

ルフィがその気なら、こっちだって徹底的にやってやる…！

ガチャリと扉を開くと、薄く埃を被った部屋…

あの部屋と同じように、タンスや本棚、ドレッサー…

この先必要になるであろう武器だけ所持し、

もう一度グルリと部屋を見渡す…

ベルメールさん…ナミを自由にする約束を

今度こそ果たせそうです…

『もういらない…こんな部屋…

アタシはここに留まらねぇよ…！！』

Aが目を瞑り、静止すると

室内にも関わらず風が吹き荒れる

窓ガラスが割れ、室内のものがぶつかり合い

形を崩していく…

ｻﾝｼﾞ「2階の部屋が…！！」

ｳｿｯﾌﾟ「今度は本棚！？」