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#45 ページ45

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(人格が変わる……?契約?何、それ)


Aは現れたドストエフスキーを一瞥しただけで、反応を見せなかった。

それより彼女は、必死に太宰の言葉を理解しようとしていた。例えるなら、それは瀬戸際。わたしの中の"私"が生きるか死ぬか。



「久しぶりの再会なのに、連れないですね。昔のようには呼んでくれないのですか」

「……"私"は貴方を知らない」

「そうでしたね。でも思い出したでしょう?」


Aの思考回路を邪魔するかのようにドストエフスキーが言った。いつの間にか、敬語は取れていた。



「意外です。貴方が彼女をご存知だったとは」

「6年前に出会っていたのさ」

「成程、龍頭抗争ですか」

「君なら知っていると思っていたけれど」


真逆、予想外ですよ。と太宰の台詞にドストエフスキーは唇に弧を描いた。



(そうか)



その表情にAは確信する。



(マフィアに情報が売られた事、探偵社が私を護った事、麻薬密売を手配した事。全て、すべて)




「──貴方が、裏で全てを回していた」


「漸く気が付きましたか」



紫水晶の双眸がAを映す。温度を感じさせない冷たい手が頬に添えられた。






「お帰りなさい。A」





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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時

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