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探偵社の中枢を担っている江戸川 乱歩は、苦悩していた。
どんな不可解な事件も一瞬で解決させる名探偵でさえ、わからない謎。
(彼女は"何"なのか)
それは、駒崎 Aと言う謎。
彼女の性格や性質等は、初めて会った時に把握した。物腰の柔らかい笑顔の下に隠れた、短期で荒々しい素顔。彼女自身、それを最低限は隠していたが必死に守っている様子でも無かった。
乱歩がわからないのはそこではない。
駒崎 Aの過去、抱えている闇、思考の傾向、心の歪みも推理した。今の彼女を形成する全てを見抜けば、必然的にわかる筈なのだ。それでも"根元"が視えない。
必要な具材は全て揃っているのに、調理出来ないような、そんな感覚。
(──まるで、彼女が
(彼女は駒崎 Aの中に潜んでいる偽りの……)
「…………乱歩さん?」
はっとして、声のした方を振り向けば敦が心配気に此方を見ていた。
「大丈夫ですか?随分難しい顔をされていたので……」
「…大丈夫、少し考えてただけ」
そう、今は絶賛会議中だったのだ。自分らしくない失態に、乱歩は溜め息を吐いた。
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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時