検索窓
今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:80,662 hit

#39 ページ39

.



探偵社の中枢を担っている江戸川 乱歩は、苦悩していた。

どんな不可解な事件も一瞬で解決させる名探偵でさえ、わからない謎。




(彼女は"何"なのか)




それは、駒崎 Aと言う謎。

彼女の性格や性質等は、初めて会った時に把握した。物腰の柔らかい笑顔の下に隠れた、短期で荒々しい素顔。彼女自身、それを最低限は隠していたが必死に守っている様子でも無かった。


乱歩がわからないのはそこではない。



彼女の本質(・・・・・)だ。



駒崎 Aの過去、抱えている闇、思考の傾向、心の歪みも推理した。今の彼女を形成する全てを見抜けば、必然的にわかる筈なのだ。それでも"根元"が視えない。


必要な具材は全て揃っているのに、調理出来ないような、そんな感覚。






(──まるで、彼女が偽物(・・)みたいじゃないか)




(彼女は駒崎 Aの中に潜んでいる偽りの……)






「…………乱歩さん?」


はっとして、声のした方を振り向けば敦が心配気に此方を見ていた。


「大丈夫ですか?随分難しい顔をされていたので……」

「…大丈夫、少し考えてただけ」


そう、今は絶賛会議中だったのだ。自分らしくない失態に、乱歩は溜め息を吐いた。



.

#40→←#38



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
79人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。