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時を止める、それはこの世界に存在する全てを止めるという事。
"時"が実際に触れられる物体だとすれば、太宰はAの異能の阻止が可能になる。
しかし"時"が気体や、固体、液体で無いとすれば、Aに直接触れない限り人間失格は無意味になってしまう。
実際、Aは今までにも何度か異能を使用した事があるようだ。つまり、世界を止めている間そこに太宰も含まれる訳で、空気(気体)の中に"時"が入っている可能性は極めて低いだろう。
「太宰さんは随分と如何でもいい事を考えているのですね」
思考を巡らせていた太宰にAは愉快そうに言った。
彼女は一見穏やかそうだが、時折見せる容赦の無い態度に本性が透けている。太宰は思った。
「如何でもいい訳ではないさ。私の異能が通用しないなら、時間が止まっている間、君の異能を止められるのは誰一人として居なくなる」
それは彼女の"本当の"異能を知っているからこその気掛かりだ。
自らの元相棒で
「矢張り、戯言ですね」
そんな太宰の思いを知ってか知らずか、Aは何処か寂しそうに微笑んだ。
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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時