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───
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─
水滴が落ちる音がした。
「いった……此処は、そうか確か捕まって」
意識を覚醒させたAは、痛む鳩尾をそっと撫でた。
手足は鎖に繋がれていて、横になっていた冷たいアスファルトには血液がこびりついていた。
「よりにもよってマフィア……最悪」
Aが不機嫌な様子を隠す気もなく呟いた。彼女の異能は時間を止めるだけであり、頑丈に造られた鎖を壊す力量もないので現状からの脱出は不可能に近い。
猫を被っていた"顔"も、人がいないこの場では必要ない。
「──よォ、三日ぶりだな」
暇を持て余していたAは近づいて来る足音に顔を上げた。
「あなたは、」
黒帽子、黒いコート、黒靴と黒ずくめ──それでいて背が小さい──の男は面白そうに此方を眺めていた。
そう、彼は───
「……誰でしたっけ」
「覚えてねェのかよ!」
中原が渾身のツッコミをいれた。
「冗句ですよ。先日は余計な事をしていただきありがとうございました」
苛立ちを隠せていない笑みでAが言った。
「悪かったな、だがこっちも仕事なんだよ」
そう言って、中原は僅かに右に移動する。
彼がずれた事により先程までは見えなかった人影が一つ。
「はじめまして。私はポートマフィア首領、森 鴎外」
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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時