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結局、自分の仕事を押し付けようと試みた太宰は国木田にどやされ、Aは依頼を受けに行く敦と鏡花に同行する事となった。
「因みに、今日はどんな依頼なんですか?」
「最近、港辺りに怪しい密売者がいるみたいなんだ。何せ彼らは取引現場を目撃してしまった人を口封じしているみたいで…」
その被害は留まる事を知らず内務省異能特務課──通称、特務課──から彼らを捕まえてほしいとの依頼があったのだ、と敦は言う。
それはそれは物騒だ。
「では、これから捕縛に?」
「今日は事前調査の為に来た」
成程、Aが鏡花に相槌をうつ。
Aはてっきり使い勝手の良い自分の異能を利用するのかと思っていたが、如何やら違ったようだ。
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「丁度ここら辺みたいだけど……」
歩く事5分。
そこは横浜を代表する大きな港から少し離れた駐車場であった。
裏取引される事も納得がいくほどの静けさだ。絶好のスポットなのだろう。
しかし僅かな血痕や銃弾痕はあるものの、取引が行われた明確な証拠は見当たらない。
周りに人がいないか辺りを確認する敦と、酸化している血痕を見つめている鏡花をおいてAは駐車場全体をぐるりと見回した。
そして視線をある一点に定めるとそこに向かっていく。
「──あった」
パーキングブロックを持ち上げたAは不敵に口角を上げた。
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小雨(プロフ) - 姫歌さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。少しでも面白いものを書けるように頑張ります! (2019年1月25日 20時) (レス) id: 0248fe37a6 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - 迚綺麗な文章体ですね。更新頑張ってください。 (2019年1月25日 19時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小雨 | 作成日時:2019年1月16日 21時