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58話 ページ18

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次に目を覚ました時に見たのは記憶よりも年をとった仲間たちとあの時助けた男の子の成長した姿だった。





「坊ちゃん!!」
「A様!!」
「坊!!」
「若!!」
「若様!!」

口々に僕を呼ぶみんなの顔は涙に濡れていて、あぁ僕は助かったんだって安堵したよ



助けた男の子はちゃんと柏木達にUSBを届けてくれてたみたいで、そのあとお見舞いに来た長官達にはすっごく褒められてね、少し恥ずかしかったくらいだよ


あ、ちなみにその助けた男の子は僕お抱えの特殊部隊に入隊したいって志願してね、今は僕のために働いてくれてるんだ




『まだ降谷くんたちは知らされてないかもしれないけど持ち帰ったUSBの解析とその活用方針がもうすぐ決まりそうだから、数ヵ月後には大規模な組織壊滅作戦が始まると思うよ』




僕がそう言った時の降谷くんの顔は見ものだった




「そう、ですか…」



『うん。これで長期任務の事は大体話し切ったかな。』




満足してくれた?と僕が首を傾げると降谷くんはなんとも言えない顔をして口を開いた



「Aさんのことを知れたという面では満足、ですが…今までAさんがこんなに壮絶な過去を背負って生きてきていた事を知らずにのうのうとあなたの後ろ姿を追い掛けていただけの自分が憎くなりました」



「僕、随分前からAさんが何か大きなものを抱えていることには薄々気付いていたんです。でも、それを聞き出す勇気がなかった」



こんなことならもっと早くに話を聞いておけば良かったと後悔の色を示す降谷くん




『そうだったの?気を遣わせてごめんね』


「いえ!そんなこと…」


それに、と言葉を続けた降谷くんは何やら言いにくそうに俯いた


『それに?』


「っ、その…Aさんが大変な思いをしていた時期に傍であなたを支えたのが他の男だと思うと少し…いや、すごく悔しいです」



顔を上げた降谷くんの頬はほんのりと赤らんでいて、僕は嬉しさといじらしさがないまぜになった感情のまま彼の頭を胸に抱き込んだ



「っAさん?」


『ありがとう、降谷くん』






君はもうとっくに、僕の中で僕の心を支える大きな柱になってくれてるよ。








降谷くんの耳元で呟くと、彼はそうですかと嬉しそうに笑った

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若宮真琴 - 好きです!大好きです!面白いです!頑張ってください!めっちゃめっちゃ応援してます!!!!更新頑張ってください! (2020年6月25日 12時) (レス) id: f98349de18 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 椎名桃乃さん» うおぉ、こんな更新停滞魔にありがとうございますっ!!頑張ります! (2019年5月25日 11時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - とっても面白いです…!夢主くんが可愛すぎて辛いですwこれからどんな展開になっていくか楽しみです!応援してます、頑張ってください! (2019年5月23日 16時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - マリーさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!気長にお待ちいただけると幸いです! (2019年5月11日 12時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます!!最近更新が停滞してしまっていて申し訳ないのですが、これからもちまちま更新していくのでよろしくお願いします!! (2019年5月11日 12時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pico | 作成日時:2019年1月2日 20時

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