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57話 ページ17

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なんてベタな展開だろう。乾いた笑みが零れた




僕の目の前の道は瓦礫で塞がれていた



出口までもう少しという所でタイミングよく目の前で爆発が起こり、直接巻き込まれなかったにしろ唯一の脱出経路が塞がってしまった



今どきアニメや小説でもこんなベタな展開は少ないだろうに。心の中でため息をつく



しかし、積み重なった瓦礫には幸いにも腕の中で不安そうに僕の顔を見つめてくるこの男の子が通れるくらいの隙間が1箇所だけあった



『君はここを通って外に出るんだ、いいね?

それと、』





僕は握り締めていた手のひらを開いて、その上にあったメモリを男の子の目の前に差し出した




『外にいる人達にこれを渡してくれないかな。
とっても大切なものなんだ』




恐る恐るといった様子で男の子がメモリを小さな手で掴んだ


そっと地面に降ろして、じっと顔を見つめてくる瞳を見返すと「おにいちゃんは…?」と聞かれた



『僕も後から行くから安心して。さあ、早く』



優しく彼の背中を押す



「またすぐあえる?」

『…会えるよ。』




きっとね。


その言葉は胸の内に仕舞い込んだ





瓦礫の向こうに消える男の子の姿を見届けてから、さてこれからどうしようかと考える




脱走防止のためか、この施設は1階と2階の窓に鉄格子が嵌められていて突き破って逃げることは出来ない


かと言って3階、4階から飛び降りれば重傷は免れない


考え込んだ末に結局逃げ道は窓しかないのだから3階から飛び降りようという決断が出た僕は、崩れかけの階段を駆け上がって行った




『はぁ、はぁ…』



流石に走りっぱなしで疲れた



膝に手を当てて息を整えていると、後ろからピピピという聞き慣れた高い機械音が聞こえ始めた



『まずいッ!』



急いで窓に向かって走り出す


窓を突き破ろうと地面を蹴って飛んだ瞬間、激しい轟音と叩き付けるような爆風に背中を押されるようにして僕は地上3階の窓から飛び出した




パリンッ




ガラスの割れる甲高い音が響く





地面に向かって真っ逆さまに落ちた僕は当然のように意識を失った

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若宮真琴 - 好きです!大好きです!面白いです!頑張ってください!めっちゃめっちゃ応援してます!!!!更新頑張ってください! (2020年6月25日 12時) (レス) id: f98349de18 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 椎名桃乃さん» うおぉ、こんな更新停滞魔にありがとうございますっ!!頑張ります! (2019年5月25日 11時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
椎名桃乃 - とっても面白いです…!夢主くんが可愛すぎて辛いですwこれからどんな展開になっていくか楽しみです!応援してます、頑張ってください! (2019年5月23日 16時) (レス) id: 87ecca1cfc (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - マリーさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!気長にお待ちいただけると幸いです! (2019年5月11日 12時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます!!最近更新が停滞してしまっていて申し訳ないのですが、これからもちまちま更新していくのでよろしくお願いします!! (2019年5月11日 12時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pico | 作成日時:2019年1月2日 20時

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