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10話 ページ10

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放課後、若葉は白地に紫の線が入ったエナメルバッグを肩に斜めにかけ、孤爪に軽く手を挙げて帰宅しようとした。


それは適わなかった。




教室を出た瞬間、大きな壁に阻まれる。

視線をあげれば緑の瞳と目が合った。







「若葉センパイ!!なんでマネージャーやってくれないんですか!?俺、若葉センパイがいたらスパイクもレシーブもバンバン決めちゃいます!!どうしてですか!?」

『私がいなくても今までスパイクもレシーブも決めてきただろう。大丈夫だよ』

「嫌です!!」






思わず額に手を当てた。

困ったものだ。




必死な表情で行く手を阻む巨人、リエーフはきっと若葉がマネージャーをやると言うまで退かないのだろう。

若葉はふぅ、と息を吐いてにこりと笑った。




リエーフの背後を指さして




『あ、夜久先輩がこっちを見てる』




と言えば、エッ!?と勢いよく後ろを振り向いた。


その隙に踵を返し、早歩きで廊下を進む。




二年は二階を使用しているので階段を降りればすぐに下駄箱が待ち受けているのだ。

靴を履き変えて走り去ればいい。





「若葉センパイ、夜久さんなんて見当たりませんよ……っていない!?」




階段を降りる背後でそんな声が聞こえたが知らない。

若葉は颯爽と歩き行く。





「研磨さん、若葉センパイが消えました!!」

「リエーフが後ろ向いてる時にさっさと歩いていったよ」




その声と即座に駆け出す音が聞こえ、早足のスピードを上げる。

リエーフは足が長いから走ったらすぐに追いつかれるだろう。さっさとここから去らなければ。








若葉の名前が書かれた靴箱の蓋に手をついて、少し怒った表情で見下ろすリエーフ。

そんな彼を目の前に若葉は笑みを崩さない。


早く帰りたい若葉の気持ちを知ってなのか、靴を履き替えれないように靴箱についた手を離さない。





「若葉センパイ、若葉センパイだけなんですよ。俺の話をまともに聞いてくれたの」




孤爪が着替え終わるのを待っていた時、若葉は着替えにきたリエーフと話していた。

リエーフは自分はエースになるのだと言った。

だから、若葉は言った。



エースというのはチームの勝敗を背負うことだと。


それでもリエーフはあっけらかんと言うのだ。





「はい、それでもエースです」







何があってもそう思えるのだろうか。



若葉はリエーフの鋭い、真っ直ぐな瞳から目を逸らした。

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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます!!楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです!! (2月26日 23時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか?続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます!まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ!それまでお待ちください! (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:早夜 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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