6話 ページ6
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『2年3組の牛島若葉です。今日は見学に来ました。よろしくお願いします』
光に当たった黒髪が深緑のような色に見えた。
軽く頭を下げて部員に微笑む若葉は優しそうな風貌を醸し出している。
孤爪を除いた部員達は彼女に対して好印象であろう。
アップも終わり、練習が始まった様子をパイプ椅子に腰を下ろして見守る。
隣に座ったバレー部の監督である猫又は、視線を動かすことなく話しかけた。
「牛島さんは白鳥沢出身だったかな」
『私を、知ってるんですか』
「そりゃあウシワカの妹だからな。将来女子バレー界を担う存在だって言われてたが……もうコートに立とうと思わんのかな？」
その言葉に無意識にギリッッと拳を握りしめた。
若葉は絞り出すように呟く。
『……立ちません。二度と』
絶対に。
兄に、誰かに、何と言われようがバレーボールはもうしない。
猫又はそれ以上何も言わず、ただ一言だけ。
「そうか。なら、あいつらを見てやってくれ」
『…はい』
若葉は頷いた。
目の前の光景。
レシーブの上手さが際立つプレイ。
バレーボールは好きだ。でも、嫌いだ。
だから。
──これ以上大嫌いになりたくない。
爪が食い込んだ手のひらを見つめ、またコートに目を向けた。
ネット際。
孤爪がリエーフにトスを上げて、リエーフは空振った。
ふ、と笑い声が漏れた。
『監督。リエーフと研磨、噛み合ってませんね』
「牛島ならどうする」
『見守ります』
「ははっ、そうかいそうかい」
若葉の返しに笑う監督に首を傾げた。
監督は体育館を一望し、職員室にまた戻って行った。
その代わりにコーチが来たので『2年の牛島若葉です。見学させてもらってます』と挨拶をする。
コーチの名前は直井だと、自己紹介されて知った。
その後、直井と話しながら練習風景を見て、また戻ってきた猫又に入部について聞かれた。
『マネージャーがいなくても部は回ってたんですよね』
「いてくれた方が助かるけどなぁ」
『いなくてもやっていける、と私は思います』
笑顔を貼りつけたまま会話をする猫又と若葉を、孤爪はじっと見つめていた。
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早夜(プロフ) - LUNAさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて嬉しいです。今まさに公開致しました。パスワードなしでご覧いただけます。お待たせしてしまい申し訳ありません。ぜひ、続編も楽しんで読んでいただければ幸いです！！ (2月26日 23時) (
レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
LUNA - こんばんは!!初コメ失礼します!めちゃくちゃ楽しく読ませて頂きました!!続編も気になっているのですが数話公開されたらパスワードがなくても読むことが出来ますか？続編も気になるのでよろしくお願いします!! (2月26日 23時) (レス) id: b20802aba1 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - アマアマハチミツさん» コメントありがとうございます！まだ1話しか書けておらず、数話まとめての公開にしようと思っていたのですが…1話でもいいよ〜と言っていただけるのであれば公開させていただきます。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - ミカサさん» 続編公開しますよ！それまでお待ちください！ (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
早夜(プロフ) - いくら丸さん» コメントありがとうございます。楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編は公開致しますので少々お待ちくださいませ。 (2月26日 22時) (レス) id: f5ec9a9fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早夜 | 作成日時：2023年12月12日 0時
